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1日200リットル!ウシがよだれを多く出すのはどうして?「何回も食べるから」

あなたは、牛のよだれを見たことがありますか? 「商いは牛のよだれ」なんてことわざもあるように、牛のよだれは細く長く続く、切れ目なくたくさん出てくるものだと言います。でも一体、それは何故なのでしょうか? 今回は、そんな牛の唾液の秘密について迫ります。

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牛のよだれは、1日200リットル出ることも!

起きている間はほとんど1日中、ムシャムシャと草を食べているイメージがある、牛。その口元を見ると、常にダラダラとよだれを垂らしているように見えます。その様子を「汚い」と思う人もいるかもしれませんが、これは牛にとって望ましい、正常な状態です。

健康な牛は、1日に50~60リットルのよだれを分泌します。ただ、これは牧草を食べる牛の場合で、乾燥した干し草を食べる場合は、なんと1日で実に200リットルものよだれが出るそうです。ちなみに、人間のよだれ分泌量は1日1.5リットルくらい。

比較してみると、牛のすごさがよく分かりますね。

草食動物は、唾液腺が発達している

草の葉や茎、それに湿り気の少ない穀物などを食べる草食動物は、他の動物に比べて唾液腺が発達しています。草食動物のエサは、固い繊維で覆われているので、消化するのがとても大変。だから、食べたものをその水分で湿らせ、喉の通りを良くし、でんぷんなどの物質を分解してくれる唾液がたくさん出るようになっているのです。

反対に、植物を食べない動物や、水分を多く含むものを食べる動物ほど、唾液の量は少なくなります。水の中に四六時中いる魚にいたっては、唾液腺は1つもありません。たしかに、魚は唾液なんて出なくても、全く困ることはなさそうですよね。

牛は「反芻」しながら食べる

牛には、1度食べたものを胃から吐き出す習性があります。吐き出した食物繊維を唾液と混ぜ、よく噛み砕いてから、また飲み込んで消化するのです。つまり、よだれで消化を促進しているわけですね。この二度噛みする行動を、「反芻(はんすう)」と言います。

草を食べるとき以外、牛はほとんどこの反芻をしているそうです。その時間はなんと、1日7~11時間。だから、端からは牛が常によだれを垂らしているように見えてしまうんですね。決して、怠けていつも口元をダランと開けているせいで、よだれが垂れっぱなしになっているのではありません。

牛のよだれは、出る必要があるからこそ、あんなに大量に垂れているのです。それが分かれば、よだれだらけの牛が苦手だった人も、少しは可愛く思えてきたりして……?

※この記事は2014年12月31日に公開されたものです

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