「こじらせ女子」が現代を生き抜くたったひとつの方法【後編】
働く女性にとって気になる話題やトレンドワードをピックアップ。男女心理の専門家である五百田達成氏が、ユーザーのリアルな声とともにひもときます!
◆みんなのこじらせエピソード
前編では、トレンドワード「こじらせ女子」を徹底解剖。その由来や正体について分析しました。
さて「我こそはこじらせ女子」と自認している女性たちに、具体的なエピソードを聞いてみたところ、
「いわゆる『モテメイク』『モテ髪』というものにアレルギーがある。モテるためにやっていると思われることに抵抗がある」(25歳/小売店/販売職・サービス系)
「かわいい服を見ても、『どうせ自分には似合わないだろうな……』と思ってしまう」(31歳/不動産/専門職)
など、「かわいらしさ」に抵抗があったり、
「恋愛経験値が少ないわりに、情報だけは大量に仕入れているので、頭で余計なことを考えすぎる」(30歳/その他/その他)
「同僚が「合コン、合コン」と騒いでいるときに、合コンに参加する自信がなくて、『私はいいや……』と避けてしまった」(27歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
「人を好きにすらならないでいた時期が長くて、年齢=彼氏いない歴を更新」(31歳/学校・教育関連/技術職)
など、恋愛自体になかなかエネルギーを注げない様子。
◆恋愛不全が自己否定につながる
中には、恋のチャンスがあっても、
「好きな人の前で素直になれず、友だちで終わってしまうことが多い」(31歳/生保・損保/事務系専門職)
「『ありがとう』とかが、好きな人には恥ずかしくてなかなか言えなかったりする」(30歳/建設・土木/事務系専門職)
「カッコいい人に好意を持たれると、何か裏があるのでは? と疑ってしまう」(31歳/金融・証券/事務系専門職)
と、コミュニケーション技術が足りずに、うまくいかない場合も。さらには、
「告白してきてくれた人に、自分がどれだけ大したことのない人間かを説明した」(30歳/機械・精密機器/事務系専門職)
「『自分はこの輪に入っていく資格がない』『自分なんかの話をしたら迷惑だ』『自分にSNSを見られるのなんて嫌だろうから、フォローできない』『自分に時間を割いてもらうなんて申し訳ない』が基本原理。最近、これがこじらせた自己愛だと気づいたけれど、まだこの考え方を取り去れない」(26歳/ソフトウェア/技術職)
といった声に見られるように、恋愛できないことをきっかけに、自己否定にいたってしまっている例も。これなどはまさに「こじらせ」ている例です。
◆こじらせ女子への処方箋
「こじらせ女子」と自認している人たちのコメントから感じられるのは、ずばり「知性」。少々ネガティブなところはあるにしても、日ごろからよくものを考える内省的な性格の人が多い印象です。
もちろん、深く考えすぎないほうが楽しく毎日を過ごせるというのも、人生の真実(残念ながら)。もっと軽やかに生きたい、もっと気楽に生きたい。そう願うけれど、ついつい頭でっかちになってしまう。これは一部の女性たちの兆候ではなく、現代病とも言えます。実際、ここで取り上げた意味でいえば、世の中の多くの男性も「こじらせて」います。
結局のところ、自分に自信をつけるためには、自分の生き方を確立し、ことあるごとに恋愛や結婚にせき立てる世の中と距離をとることがなによりも大事。たとえば、
「6年間彼氏がいなくても、仕事とプライベートが充実しているため、平気で恋愛したいとは思わない」(27歳/学校・教育関連/学習支援)
という意見を読んだとき「さみしそう」と思うか「かっこいい」と思うかで、その人の立ち位置が決まってくるでしょう。
現代において、「こじらせて」いることはもはやデフォルト。問題は、胸を張ってこじらせるか、うつむいてこじらせるか。もちろん、あなたが前者でいられることを、心から祈っています!
(作家・心理カウンセラー:五百田達成)
※画像は本文と関係ありません
※『マイナビウーマン』にて2014年12月にWebアンケート。有効回答数206件(22歳~34歳の働く女性)
※この記事は2014年12月28日に公開されたものです