「こじらせ」と「非こじらせ」をわけるポイントとは？【前編】

◆大ヒットドラマの主人公も「こじらせ」ていた

先ごろ、テレビドラマ「きょうは会社休みます。」が大人気のうちに放送を終えました。視聴率も右肩上がりで最終回の平均視聴率は15％を超え、終わってしまってさみしい、という声も多く聞かれます。

綾瀬はるかが務めたこのドラマの主人公は、30歳、彼氏いない歴＝年齢といういわゆる「こじらせ女子」。さえない毎日を送る彼女が年下イケメンの大学生と付き合ううちに、成長していく様子を描いたもので、多くの女性たちの共感を誘いました。

◆意外と古い歴史

ところで、この「こじらせ女子」。数年前からよく聞きますが、わかるようで実態がつかめない、けれどニュアンスとしてはピンとくる不思議なことばです。

「こじらせ女子」にスポットが当たったのは、ちょうど1年前のこと。2013年の流行語大賞にノミネートされたのがきっかけです。さらに元をたどると『女子をこじらせて』（雨宮まみ）という本が由来で、発売されたのは2011年12月5日。実に3年以上も人々のアンテナに響き続けているワードなのです。

定義としては「流行のファッションや恋愛に疎く、自らの女子力に満足していない」女性のこと。外見的に「非モテ」なわけではなくむしろ女性の内面を表したことばで、特徴としては「女子らしいかわいらしさが苦手」「甘え下手」「褒められてもうまく返せない」「すぐに卑屈になる」「自意識過剰」などが指摘されています。

◆約4割の女性が「こじらせ」を自認

このトレンドワード、マイナビウーマンのユーザーたちはどうとらえているのでしょうか？　「こじらせ女子＝恋愛に疎く、自分の女子力に自信のない女子のこと」としてアンケートを実施しました。結果、「あなたは自分をこじらせ女子だと思いますか？」という質問には、約40%が「思う」と回答。

理由としては、

「恋愛をしたいと思わない」（26歳／アパレル・繊維／事務系専門職）

「自分の女子力にイマイチ自信が持てない」（31歳／不動産／専門職）

「他の女性に比べて劣っているなと感じることが多い」（31歳／ソフトウェア／事務系専門職）

「彼氏はほしいけれど、なかなか行動を起こさない」（26歳／団体・公益法人・官公庁／事務系専門職）

「素直に思ってることが言えなくていつも後悔します」（30歳／建設・土木／事務系専門職）

「何でもマイナスに考える」（31歳／金融・証券／事務系専門職）

「自分に自信がなく、きれいになりたいと思うことにすら罪悪感を感じる」（25歳／小売店／販売職・サービス系）

「好きな人に対してどう接すればいいのか。それがわからないなら独り身のほうが楽か、と感じてしまっている」（33歳／学校・教育関連／事務系専門職）

「自分に自信がないから、余計な疑いをしたことがある」（30歳／その他／その他）

「告白されても何かの間違いだと思う」（30歳／機械・精密機器／事務系専門職）

など、いかにも「こじらせた」回答が並び圧倒されます（笑）。ですが、どれも多かれ少なかれ、誰もが思い当たる節があることばかり。これだけ見れば「こじらせてない人なんていないのでは？」とも感じてしまいます。

◆「非こじらせ」派の意見は？

逆に約60％を占めた「思わない」派の理由としては、

「常に努力して女子力を身につけていて、まわりからも女子力が高いと評価されているから」（28歳／医薬品・化粧品／事務系専門職）

「結婚できたから」27歳／ソフトウェア／技術職）

「素直に生きてるから」（29歳／運輸・倉庫／事務系専門職）

「現実見て、恋愛してるので」（27歳／アパレル・繊維／事務系専門職）

「自信満々だから」（31歳／電機／事務系専門職）

「彼氏もいるしネガティブでもないから」（23歳／商社・卸／秘書・アシスタント職）

など、すがすがしいほどに自信に満ちた答えばかり。本当かな？　と首をひねってしまうほどです。ともあれ「自分に自信があるかどうか」が、こじらせと非こじらせを分けるポイントのよう。後編では、もう少し深く、「こじらせ女子」の実態に迫ります。

（作家・心理カウンセラー：五百田達成）

※画像は本文と関係ありません

※『マイナビウーマン』にて2014年12月にWebアンケート。有効回答数206件（22歳～34歳の働く女性）

※この記事は2014年12月27日に公開されたものです