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男性のおっぱいにもしこり! 乳がんは女性だけの病気ではない!?

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■乳がん発症者の約1%が男性

圧倒的に患者さんの数は少ないのですが、実は、男性でも乳がんになることはあります。というのも、乳がんとは、乳腺にできるがんで、男性にも乳腺があるからです。乳がん発症者の約1%が男性とされています。男性は、女性に比べて皮下脂肪が少ないので、比較的簡単にしこりを発見することが可能です。

ただ、脂肪が少ないぶん、がん細胞は、皮膚や筋膜へと広がりやすいともいわれ、女性の乳がんよりもやや進行が早いとされています。

■乳房異常には、ほかの病気が隠れていることも……

とはいえ、乳房に異常があるからといって、すぐに乳がんを疑うのは時期尚早。男性で乳房が膨らんできた、ということですと、肝機能障害、内分泌・代謝異常、薬による異常も考えないといけません。

お酒を飲んでいて、乳房が大きくなってきたら、肝硬変を含む肝機能障害を疑います。内分泌異常によるものとしては、睾丸機能の低下、女性ホルモンの過剰生産などが原因となります。特に、10代前半の第2次成長期にかけては、ホルモンバランスの崩れにより、女性ホルモンが過剰に分泌され、女性化乳房が起こることが多いです。薬ですと、ジギタリスという強心剤、降圧剤、胃潰瘍の薬、抗けいれん剤・抗精神病薬などが考えられます。

■男性の乳がん患者は60代が多い

男性の乳がんの発症年齢は、60代になってからが多いです。胸のしこりを確認するためには、マンモグラフィやエコーが利用されます。治療は、女性の乳がん同様、抗がん剤、放射線治療、手術が一般的です。手術は、乳房温存手術が行われることもありますが、多くは、乳房すべてとともに、胸筋やリンパ節を切除することになります。また、エストロゲンにより増殖が促進される性質を持つホルモン受容体陽性例が多いので、ホルモン治療も行います。

■まとめ

男性も乳がんになる、ということを念頭におきましょう。そして、もししこりに気づいたら、専門のお医者さん(乳腺外科)を受診しましょう。

(文:37歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.07)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年12月26日に公開されたものです

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