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え、意外!料理別「和食」のマナー「吸い物→目上の人が蓋を取ってから」「止め椀が出たらお酒を控える」

日本の和食文化は世界から注目されています。味や見た目はもちろんですが、評価されているポイントには、日本ならではの「おもてなし」も含まれているのではないでしょうか。そして、おもてなしを受けるということは、こちらにもマナーが求められるということ。

【“逆さ箸”はマナー違反? 「意外と知らない! テーブルマナー」】

みなさんは、正しい和食のマナーをマスターしていますか?

今回は、意外と知らない人が多い和食マナーについて、マナー講師の平松幹夫先生に教えていただきました。

先付け(前菜)

「平皿に盛られている場合は置いたまま食べますが、もし小皿に盛ってあれば器を持って食べます。いくつかの料理が盛り合わせになっている場合も多いですが、ポイントはアレやコレやと箸をつけないこと。一品ずつ、丁寧に味わって食べましょう。

また、団子や田楽などの串物は、箸で押さえて串を引き抜いてから食べます」

吸い物

「吸い物は蓋付きの椀で提供されることが多いですが、ある程度格式の高い席なら、蓋を開けるタイミングにも注意が必要。目上の人が蓋を取ってから、自分も蓋を取るのがマナーとされています。

左手をお椀に添え、右手で蓋を取ります。取った蓋は両手で持ち、お椀が右側にあるならさらにその右に、左側にあればさらにその左に置きます。そして食べ終えたら、蓋を元の状態に戻します」

お造り

「白身と赤身の盛り合わせになっていることが多いので、淡泊な白身や海老、イカ、貝類から、脂の多い赤身という順番で食べるのが良いでしょう。

食べるときに醤油が垂れるのを防ぐため、手盆(手で受けて食べる)をする人を見かけますが、これはマナー違反。刺身醤油の皿で受けます。また、懐紙があれば懐紙で受けます」

焼き物(伊勢エビ)

「焼き魚と同様に、食べ方に迷うのが伊勢エビの焼き物です。まず中央に箸で切れ目を入れ、さらに身の端と殻の間にも箸を入れます。そして、殻から身を浮かすようにして食べましょう。頭を懐紙で押さえると食べやすくなりますね」

殻つきの海老が出たら?

「殻つきの海老は手で殻をはずせばOK。ただし、むき終えた海老を食べるときには、箸を使いましょう」

焼き魚の食べ方(アジの塩焼き)

「一匹丸ごとのアジの塩焼きは、まず上の身を頭側から尾へ向かって、身を散らかさないように食します。上側の身を食べ終えたら中骨が出てきますので、頭を手で押さえて箸を中骨の中に入れ、頭と中骨をはずします。はずした頭と中骨は皿の奧(上部)に置き、続いて下の身を頭から尾に向かって食べていきます。

魚料理を食べるときは、魚をひっくり返さないことが基本です」

魚の小骨が口に残ったら?

「魚料理を食べていて口の中の小骨が気になったら、口元を隠すようにして手で取り出します。懐紙があれば、懐紙で口元を覆い、出した小骨は懐紙にそのまままとめてしまえば良いでしょう」

「はじかみ」はいつ食べる?

「『はじかみ』とは、紅色の茎がついた生姜のこと。焼き魚などによく添えられています。これは、見た目の美しさもさることながら、脂の乗った魚を食べ終わったあとの口直しの役割があります。そのため、食べるのは魚の身を食べ終えたあと。

魚の身を食べる前に、皿の奧側によけておきましょう」

煮物

「煮物の具材が大きい場合、器の中で箸を使って小さくカットしてから食べます。一口囓って残りを器に戻すことはしないように。また、里芋などは箸で刺してしまいがちですが、これはマナー違反。器を軽く傾けて、器のヘリを利用してゆっくりつかみます」

煮魚の食べ方(カレイの煮付け)

「たとえば丸ごと一匹のカレイの煮付けなら、まずは上側の身の頭の方から尾へ向けて、真ん中に箸で切れ目を入れます。その切り目から背骨側に箸ですくうと、身がきれいにはがれます。そして、上の身を食べ終えたら縁側を箸で切り離し、背骨と頭をはずして、下の身を食べます」

止め椀・香の物・ご飯

「止め椀とは味噌汁や吸い物のことで、ご飯・香の物と一緒に提供されます。これが出てきたらコースの締めですので、この時点でお酒は控えましょう。香の物をご飯の上に乗せるのは、あまり上品ではありません。一度囓った香の物をご飯の上に置くことも避けましょう」

食べ終わったあとは……

「食べ終えた器は何も残さずにきれいな状態が理想ですが、魚の頭や骨があることもあります。この場合は、きれいに皿の上部にまとめてください。また、使用した割り箸はキチンと箸袋に納め、お膳の手前に丁寧に置きます。

無造作にお膳の上に置いたり、食器の上に置いたままにしたりすると、だらしない印象を与えてしまいます」

こういった基本の和食マナーを身につけておけば、突然格式の高い和食の席に招待されても安心ですね。魚の食べ方や和食器の扱い方などは、覚えておけば日常生活でも役に立ちそう。正しい所作は見た目の美しさにつながりますので、きっとアナタの印象をアップさせてくれるはずです。

(OFFICE-SANGA 森川ほしの)

※この記事は2014年12月19日に公開されたものです

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