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深海に生きる生き物たちは?「1,000メートルを超えると生物の色のほとんどが黒色」

地球上で一番高い山はエベレストです。一方、地球で一番深い海であるマリアナ海溝は、海面からエベレストをひっくり返したよりも深く、未知の世界が広がっています。深海に住む生物は、どんな姿をしているのでしょうか。

【「深海生物のほとんどが発光します」―深海探査の面白い話】

深海生物とは?

水深200メートルより深い海域(一般的に深海と呼ばれます)には、約2,000種以上の深海生物が存在しています。そこは海水に阻まれて太陽光の届かない世界です。光がないため、光合成を行う植物である海藻や植物プランクトンが存在しません。

深海生物は、光もない、餌も豊富にはないという極限の環境に適応して生きています。

深海は水圧が非常に高く、また水温も低いです。人間は、生身の身体では高い山に登ることができても、深海に潜ることはできません。そのため、昔は深海には生物は存在しないと思われていました。ところが、19世紀後半にイギリス海軍のチャレンジャー号による航海が行われ、海洋調査が飛躍的に発展しました。

これにより、深海生物の研究も始まりました。

深海生物の雑学~驚きの外観

深海には光が届かないため、深海生物は普段目にする魚とは違った外観を有しています。比較的浅いところでは銀白色ですが、水深600メートルから徐々に黒っぽく変化していき、1,000メートルを超えるとほとんどが黒色などになります。

しかし深海生物には、1,000メートルに届くほんのわずかな光でも感じ取る目を持つ生物がいます。彼らにとっては、黒い生物でも影として認識することができます。さらにそれを逆手に取って、深海に届く青い光を吸収する赤い色になることで、敵に発見されにくくしている生物もいます。

日本人になじみ深いキンメダイも、赤い深海生物の一種です。

深海生物の雑学~発光する!

深海生物で有名なのは、チョウチンアンコウです。深海生物には、自ら光を発する生物が珍しくありません。いろいろな光の使い方があります。

まずはサーチライトとしての発光があります。深海に届く光が少ないため、自ら発光することで、獲物を見つけだそうとしています。海中では青い光が遠くに届きやすいため、発する光も青白い光となっています。しかしそれでは自分の姿も敵に発見されやすくなるため、さらに進化して、赤外線を発する生物もいます。

彼らは、獲物から反射した赤外線を探知するセンサーも備えています。

そのほか、チョウチンアンコウのチョウチンのように、光をルアーとして使用する生物がいます。それをおとりとして、近づいてきた瞬間に獲物を食べてしまうのです。敵から逃げるために、目くらましとして閃光(せんこう)を放つ生物もいます。

深海生物にはまだまだ謎が多いものです。今後の研究の発展に注目していきましょう。

※この記事は2014年12月07日に公開されたものです

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