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潜水艦で海底2,000メートルへ「ただし、トイレは無い」「寒い」

日本初の有人潜水調査船「しんかい2000」をご存じでしょうか。日本の深海研究の発展に貢献し、20年以上働いた後に引退した潜水艦です。深海のロマンに思いをはせてみましょう。

【「深海生物のほとんどが発光します」―深海探査の面白い話】

「しんかい2000」とは

「しんかい2000」は、水深2,000メートルまで潜航できる球形の潜水船です。日本初の本格的な深海調査のためにつくられ、1981年から2002年の間に1,411回も潜航しました。相模湾をはじめ日本各地の深海調査を行い、日本の深海研究の発展に貢献しました。

2012年7月からは神奈川県の新江ノ島水族館で常設展示されています。大きさは全長9.3メートルの横長形状をしていますが、人の乗るところは2メートルの球形しかありません。3名が乗り込むことができ、一回の潜航時間は7時間ほどでした。

「しんかい2000」のミッション

「しんかい2000」にはTVカメラやロボットアーム(マニピュレータと言い、小さなものを掴むことができる)をはじめ、海洋の状態を調査する機器などが搭載されています。これらを用いて、石油や鉱物資源の調査、生物探査、海中の流向流速、海底ケーブルの状況などを調査してきました。

シロウリガイの群集の発見や、炭酸ガスハイドレートの観察など、様々な功績をあげてきました。

潜水艦に乗ることになったときにはこの雑学

「しんかい2000」などの潜水艦に乗る場合、長時間狭い場所にいるため、いくつかの問題が発生します。

一番気になるのはトイレではないでしょうか。実際、「しんかい2000」やその後継機の「しんかい6500」にはトイレはありません。できるだけ水分の摂取を控えることはもちろんですが、携帯トイレを使用したり、おむつを使用することもあるそうです。

船内の気圧は地上と同じように保たれていますが、深海の水温は2~3度しかないのでどうしても寒くなってしまいます。なので、防寒のための潜航服を着て調査をするそうです。しかし船内は非常に狭いので、ある程度のストレスは覚悟が必要のようです。

現在では「しんかい6500」には研究などの理由があれば乗ることができます。その際にはいろいろな準備をして臨んだほうが良さそうですね。その上で、深海旅行を楽しみましょう。

※この記事は2014年12月07日に公開されたものです

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