年齢とつわりのひどさは関係ない!? 妊娠トラブルが頻発する年齢とその原因
いま、高齢出産が増えてきています。しかし、高齢出産はトラブルが起きやすいといわれており、妊娠、出産を迷う方も多いようです。高齢出産に伴うリスクとしては、どのようなものがあるのでしょうか。また、その妊娠トラブルが頻発する年齢と、その原因を、咲江レディスクリニックの院長 丹羽咲江先生にうかがいました。
妊娠のトラブルが起きやすい年齢って?
そもそも、何歳くらいに妊娠トラブルが起きやすいということはあるのでしょうか?
「35歳以上の高齢出産の場合、妊娠トラブルは起きやすいといえます。例えば、自然流産率は全体の10~15%といわれていますが、年齢別に見ると、35歳以上の自然流産率は約20%、40歳以上では40%以上だともいわれています。主に卵子の老化による胎児の先天異常が原因だと考えられています」(丹羽先生)
日本産婦人科学会のガイドラインにおいても、高年初産の区切りは35歳以上になっています。他にこの年齢を境に起きるリスクの高い妊娠トラブルには何があるのでしょうか。
「年齢が影響しやすいのは、流産の他には、ダウン症をはじめとする染色体異常があります。また、切迫早産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病にもなりやすいです。その他、加齢とともに増加するがんや子宮筋腫、腎臓や肝臓の病気などが妊娠と重なることで、トラブルは起きやすくなるでしょう」(丹羽先生)
妊娠トラブル どんな症状が出る?
これらの妊娠トラブルでは、どのような症状が出るのでしょうか。特に高齢出産で多いといわれている「妊娠高血圧症候群」の、自覚できる症状をうかがいました。
「妊娠高血圧症候群は高血圧とたんぱく尿が起こります。頭痛や倦怠感、眠気などのほか、子宮が収縮する感じや脱水、尿の量が減って急にむくむなどの症状が出ることがありますが、なかなか自覚症状に乏しいので要注意です」(丹羽先生)
では、妊娠高血圧症候群の原因はどこにあるのでしょうか。
「妊娠高血圧症候群の原因は、現在のところはっきりわかっていませんが、妊娠という負担に対して、妊婦さんのからだが上手に適応できないために発症すると考えられています」(丹羽先生)
高齢の妊娠中にはマイナートラブルが起きやすい?
妊娠中に起きる不快な症状である、つわりやめまい、頭痛、息切れ、不眠、むくみ、腹痛、頻尿など。高齢の妊娠中には、これらのマイナートラブルの症状は起きやすかったり、強く出たりするものなのでしょうか?
「高齢と妊娠中のマイナートラブルは関係がありません。高齢出産でもつわりが軽い人もいます。基礎代謝の低下によって太りやすいというのはあるでしょう。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクを避けるためにも、生活習慣をしっかりと自分で管理して、体重が増えすぎないようにする、十分休養をとるなどの配慮が必要です」(丹羽先生)
妊娠トラブルが起きやすい高齢出産。出産に対するきちんとした知識を得て、前向きに考えたいものですね。
(取材協力:丹羽咲江、文:石原亜香利)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.07)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2014年10月09日に公開されたものです