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炭火焼きがおいしいのはナゼ?

バーベキューをはじめ、焼き鳥/焼き肉に使われる炭火。同じ料理でも、ガスよりおいしく感じるのは思い込みではなく、確固たる理由がある。

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炭火はガスの4倍もの遠赤外線を放ち、放射熱で食材を直接焼き上げる。水素を含むガスは水蒸気を発生させるのに対し、炭は二酸化炭素しか出さないので余分な水分を与えることがない。炭火焼きがおいしいのは、当然の結果なのだ。

炭火はガスより調理向き!

炭火焼きがおいしい理由は1.水蒸気、2.温度、3.熱の伝わり方だ。

まず水蒸気をガスと比較すると、家庭用のガスコンロに使われる都市ガス/LPガスの主成分は、

・都市ガス … メタン(CH4)

・LPガス … プロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)

で、C/Hのあとの数値が大きいほど発熱量が多い。都市部の中華料理店でも、ボンベやシリンダーと呼ばれる容器に入ったプロパンガスが使われるのは、都市ガスよりも強い火力が得られるからだ。

これらを完全燃焼させると二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が発生する。水を張ったなべをガスコンロで加熱すると、火が当たっているにもかかわらずなべに水滴がつくのは、ガスに水素が含まれているからだ。対して炭の原料は、その名の通り炭素で、基本的に水素は含まない。

燃やしても水蒸気が発生しないので、食材をからっと焼き上げることができるのだ。

ガスよりもはるかに高温なのも炭火の特徴で、家庭用のガスコンロでは約250℃に達すると安全装置が働き自動的に消火されるのに対し、炭火の表面温度は300~600℃にも達する。炭が主流だったころは「遠火の強火」と言われていたのもこのためで、高温で遠くから焼くことができるため、焼きムラが起きにくいのもおいしさの秘訣だ。

七輪を使って、さらにおいしく

ガスとの最大の違いは熱の伝わり方で、これは炭火が電磁波の一種である遠赤外線を多く放つためだ。

ガスの火は遠赤外線量が少なく、食材を直接加熱する「放射」が起きにくい。そのため、炎によって温められた空気が食材を加熱する「オーブン」のような熱の伝わり方をする。対して炭火はガスの4倍もの遠赤外線を放ち、ダイレクトに食材を加熱するため、短時間で高温にできる。

肉や魚を低温で時間をかけて調理すると、焼き上がるまでにうまみが出てしまうが、炭火ならすぐに表面が焼けるので、うまみを閉じ込める働きをする。その結果、表面はパリッと、なかはジューシーに仕上げることができるのだ。

炭火焼きの最良のパートナーは、古典的な七輪(しちりん)だ。素材である珪藻土(けいそうど)にはケイ素、すなわちセラミックが多く含まれ、これに熱が加わると遠赤外線が発生するので、炭火の長所がさらに引き出されるのだ。

炭火&七輪が良いのはわかるが、置き場所がない!というひとには、セラミックが使われた魚焼き網がおすすめだ。ガス火では少ないとはいえ、遠赤外線をまったく放たないわけではない。これをセラミックで補えば、単なる金網よりもおいしく焼き上がるだろう。

焼き魚用のシートや箱を使って、フライパンか電子レンジで調理すれば確かに手軽だが、ひとてま加えて「炭火焼き気分」を味わうのも一興だろう。

まとめ

・炭を燃やしても、水蒸気が発生しない

・ガスコンロは250℃で安全装置が働くが、炭火は300~600℃と高温

・赤外線が食材を直接加熱するので、短時間で焼き上げることができる

・珪藻土製の七輪との組み合わせで、炭火の良さがさらに引き出せる

直径15cmほどの「ひとり用」七輪なら1,000円程度で手に入る。

ジャマにもならず防災グッズとしても役立つので、ひとつ購入しておくのも良いだろう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年09月22日に公開されたものです

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