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「新製品」と表示できる期間はいつまで?

身のまわりにはさまざまなモノがあふれ、消費者の目も肥える一方だが、各メーカーから矢継ぎばやに発売される「新製品」は、やはり気になるところ。広告などの「新」の文字にはつい目を奪われがちだが、じつは「新製品」と表示できる期間は、業界ごとに規制があることをご存知だろうか。

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「消費者が商品を公正な目で選べる環境」をつくることを目的に、各業界で自主的に規制する「公正競争規約」があり、家電製品や自動車は1年間もしくは次の新製品が発売されるまで、医薬品や化粧品は「6ヶ月間」と限定されている。

「新製品」の表示をう呑みにして購入したら、1年近く前の商品だった!とがっかりしないためにも、事前に「発売日」を調査しておくのがおすすめだ。

1年経っても「新製品」?

消費者が商品を購入する際、良いモノを公正な目で、安心して選べる環境づくりを目的につくられた「公正競争規約」。公正取引委員会が認定する、いわゆる「業界別の販売ルール」で、参加事業者が、

・商品表示の基準

・誇大表現の禁止

・景品類の提供制限

などを自主的に規制するものである。

なかでも「商品表示の基準」では、必要な表示事項や、特定事項の表示基準を定めたり、特定用語の表示を禁止するなど、業界ごとに細かな規定がある。

たとえば家電業界における「公正競争規約・第37条-3」では、「新/ニュー」などの時間的優位性を意味する用語は、

・商品発売開始から1年間

もしくは

・次の新製品が登場するまでの期間

のどちらか短い期間と定められているため、次のモデルが登場しなければ、1年近く前に発売された商品も「新製品」と名乗れるのだ。

家電製品と同期間、「新製品」表示がOKなものに、自動車、タイヤ、パソコンなどがある。自動車やタイヤはライフサイクルが長いため違和感はないが、年に数回モデルチェンジする家電製品やパソコンだと、1年間も「新製品」扱いできる商品はないに等しいだろう。

両業界とも頻繁なモデルチェンジがおこなわれ、「新製品」と呼べる期間が極端に短いのが現状で、購入後あっという間に旧モデルとなり、損した気持ちになる。「春モデル」「冬バージョン」などと表現されるのもこのためで、ユーザーの「型落ち感」を払拭するための、涙ぐましい戦略なのだ。

「新製品」アピールが控えめな、医薬品と化粧品

1年間と定められている製品が多いのに対し、6ヶ月間と自主規制しているのが、医薬品/化粧品である。医薬品の場合、

・医師に処方してもらう医療用医薬品

・薬局やドラックストアで買うことができるOTC(オーバー・ザ・カウンタードラッグ)医薬品

の2種があるが、はじめに医療用医薬品として誕生し、何年か使用された後、処方せんがなくても買えるOTCになるのが一般的なので、厳密には「発売日=薬局で買えるようになった日」であり、以降6ヶ月間は「新製品」表示OKというルールだ。

その後も派生品や後継品、マイナーチェンジ製品なども少なくないので、ライフサイクルから考えると6ヶ月間は短い印象だが、消費者にとっては「新しい」より「安心安全で効きめがある」方が重要といったところだろう。

まとめ

・「新/ニュー」と表現できる期間は、公正競争規約によって定められている

・家電は1年間、薬品は6ヶ月のように、業界によって期間が異なる

・「新製品」と表示されていても、最長1年前の製品の可能性もあり

モノにあふれ、入れ替わりの激しい時代なのに、「新製品」と表示できる期間は意外にも長い。

「新製品枠」から外れた後、生き残れるかが、何より大切なのかもしれない。

(熊田 由紀/ガリレオワークス)

※この記事は2014年09月22日に公開されたものです

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