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これが小金持ちへの知恵!確定拠出年金って何?

皆さんは「確定拠出年金」(略称:DC)がどんなものかをご存じでしょうか。「老後が不安だ」という人は、ぜひ知っておかなければいけません! 貯金するなど、資産を作るためにも知っておくべきなのです。

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貯金の多い人は「確定拠出年金」についてよく知っている!

面白いデータがあります。フィデリティ退職・投資教育研究所が勤労者3万人を対象に行った「勤労者3万人の退職準備状況 20代、30代の現状と改善へのアプローチアイデア」というアンケートです。

⇒データ出典:『フィデリティ退職・投資教育研究所』のアンケートデータ
http://www.fidelity.co.jp/retirement/pdf/20140522.pdf

その結果によれば、「保有金融資産が1,000万円以上ある20代」には、

●確定拠出年金への関心が高い
●年金制度を理解していること

といった特徴があるとしています。
資産をうまく作るためには、確定拠出年金への理解が必要なようです。

バカで貯金も少ない筆者は、当然のごとく理解しておりませんので、ファイナンシャルプランナーの前野彩先生にお話を伺いました。

確定拠出年金には税金がかからない!

――「確定拠出年金」とは何ですか?

前野先生 言葉の意味から考えるとよく分かります。

●確定 ⇒ 「決まっている」という意味
●拠出 ⇒ 「お金を出す」という意味

ですから、毎月定期的に決まった金額を「専用口座」に積み立てて、それを運用して老後に役立つ年金にしましょう、というものです。

簡単にいえば、「自分の老後のための資金を育てましょう」という制度です。「確定拠出年金」は、証券会社や銀行、保険会社などが窓口となっており、それぞれにいろんな商品が用意されています。

――なるほど。毎月預金口座にお金を貯金するのと何が違うのでしょうか?

前野先生 大きく違うのは、税金がかからないことです。例えば、普通預金口座の利息には税金がかかります。また収入からその普通預金口座にお金を入れても、その積み立て金額に対して

●所得税が最低でも5%
●住民税が10%

かかっています。

しかし、確定拠出年金の積み立て金額には税金がかかりません。非課税です。ですから、最低でも「15%」はお得なのです。

また、運用によって利益が出れば、この利益についても現在は非課税です。ですから、利息に税金がかけられる預貯金よりは、少なくとも税金分は得ということになります。

――税金がかからないとは知りませんでした。

前野先生 私も確定拠出年金を行っていますが、積み立て金額にも利益にも税金がかからないのは大きな魅力です。

確定拠出年金は運用によってはマイナスになる場合もありますが、先ほど申し上げたとおり、税金分で得している分があります。その分と相殺して利益が出ているかを考えると運用のプレッシャーが軽くなるでしょう。

それほど利益が出なくても、最低でも元本が確保されて、またその分の節税ができれば良いと考えるなら、定期預金での運用もできますよ。

もちろん投資信託などで運用して、利益がたくさん出ればそれに越したことはありませんよね。

――いいことがたくさんあるようですが、注意する点は何でしょうか?

前野先生 確定拠出年金口座のお金は、60歳まで下ろせないことです。これが一番の特徴であり、注意点ですね。

お金がたまってくると、途中で下ろして使いたいという人がいらっしゃるのですが、残念ながらそれはできません。また、60歳になって引き出せるようになっときに、どのくらいの利率で運用できて、いくらになっているのかは、今の段階では分かりません。

――途中で下ろせないのはつらいかもしれませんね。

前野先生 確かにそうですが、そもそも老後の資金をためるためのものですから。老後資金目的で途中で下ろせないからこそ、税金面でのメリットも大きいのです。一定の年にならないと受け取れないというのは、公的年金と同じですね。

――運用の利益率というのはどの程度になりますか?

前野先生 それはどんな「商品」で運用するかによってそれぞれ全く違いますが、確定拠出年金をしている176万人が運用を始めてからの平均利回りは、昨年9月末時点で3.54%のプラスというデータがあります。

でも、これも現在のところは……という話であって、来年の運用結果がどうなるのかはそのときにならないと分かりません。確定拠出年金の運用結果は誰にも読めないものなのです。

ですから、先ほど申し上げたとおり、過度に運用益に期待するのではなく、「節税をしながら貯金ができる」というように、ゆっくりとお金を育てる意識で行うのが良いのではないでしょうか。普通の貯金をしても驚くほど利率が低いですから(笑)、税金のかからない貯金というだけでもメリットは大きいと思います。

――ありがとうございました。

「確定拠出年金」についてまとめてみましょう。

確定拠出年金のメリット

・投資したお金には税金がかからない。
・利益にも税金がかからない。

確定拠出年金のデメリット

・60歳(満期)になるまでお金を下ろせない。
・運用益がいくらになるかは分からない。

いかがでしたか。確定拠出年金について基本的な部分はご理解いただけたでしょうか。バカな筆者など、取材の後すぐに、各金融機関が用意している確定拠出年金の内容を調べ始めました。
あなたは、確定拠出年金に積極的ですか? もう加入していますか?

⇒ファイナンシャルプランナー・前野彩先生の公式サイト

(高橋モータース@dcp)

※この記事は2014年09月16日に公開されたものです

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