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貸したクルマの事故は、持ち主の責任って本当?

毎月連休のある9~11月は行楽に出かけるひとも多いだろう。友人と交代しながらドライブするのも楽しそうだ。

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貸したクルマが、事故を起こしたらどうなるのか? ドライバーが責任を負うのは当たり前だが、驚くことに「持ち主」も責任が問われる。盗難にあったクルマも同じで、事故の責任は持ち主にも及ぶので、短時間の停車でも「エンジンかけっぱなし」にしておくと、大きな代償を払うことになるのだ。

事故が起きるのは、持ち主の責任?

ものを壊したり、ひとにケガをさせてしまったら、その償いをしなければならないのは誰でも知っているだろう。これは民法第709条で「不法行為による損害賠償」として定められ、他人の権利や利益を損なった場合はそれを賠償しなければならない。

わざとやった場合はもちろんだが、過失も同様に扱われる。たとえ事故であっても、その結果うまれたマイナス要素は、起こしたひとが賠償しなければならないのだ。

クルマやバイクで事故を起こすと、相手に大ケガをさせる可能性が高いため、ドライバーは大きな責任をになっている。クルマやバイクを購入すると通称・自賠責(じばいせき)と呼ばれる「自動車損害賠償責任保険」に加入しなければならないのもこのためで、もし加入しないと、

・1年以下の懲役 または 50万円以下の罰金

・免許停止処分

などの厳しい処罰を受ける。ただし自賠責は対人のみの保険なので、被害者のクルマやガードレールなどの修理代はすべて自腹となる。そのためほとんどのひとが、任意保険とも呼ばれる自動車保険に加入し、万が一に備えているのだ。

貸したクルマが事故を起こしたらどうなるのか? ドライバーである知人が、民法第709条に従い、治療費や修理代を支払うのは当然だが、持ち主も同様に責任を負わなければならないのだ。

これは自動車損害賠償保障法・第3条によって「クルマが事故を起こした場合、持ち主も損害賠償しなければならない」と定められているからで、自分のクルマが事故を起こさないように、きちんと管理しなさいと解釈できる。

「ドライバーは他人」「自分は貸しただけ」では済まされないので、クルマの貸し借りは大きなリスクをともなうことを理解しておくべきだ。

盗難車の事故も、持ち主の責任!

自分のクルマが盗まれた場合も同様で、やはり持ち主にも責任が及ぶ場合がある。駐車場のあるコンビニでは、「短時間だから」とエンジンかけっぱなしで買い物をしているひとを見かけるが、たとえいたずらでも、事故が起きれば多額の損害賠償はまぬがれない。

もし知人と一緒にドライブしていたらどうなるのか? 誰かに運転を任せ、自分は助手席に座っている状況で事故が起きたら、持ち主も当事者あつかいされそうだが、驚くことに貸していた状態よりも責任が軽くなる可能性が高い。

これも自動車損害賠償保障法・第3条により、

・安全運転のために注意した

・被害者、ドライバー以外の第3者が原因

・クルマの欠陥で起きた事故

の場合は、持ち主の責任は免除される。つまり、同乗し、知人が安全運転するように注意していたと証明されれば、貸したときよりも責任が少なくなるのだ。

貸したクルマはドライバーの責任、同乗していれば自分も当事者、と考えるのが自然に思えるのだが、法律的にはむしろ逆で、貸した=安全運転のための管理を怠った、と解釈されるからだ。

まとめ

・貸したクルマが事故を起こすと、持ち主にも賠償責任が発生する

・知人が安全運転するように、同乗して注意していれば、責任が及ばない可能性が高い

・社用車も同じルールなので、社員が事故を起こせば、会社が責任をとることになる。

・「保険に入っているから」と油断せず、安全運転をこころがけよう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年09月15日に公開されたものです

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