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褒めるときに特定の人だけ褒めちゃうと逆効果なワケ

先輩として上司として、後輩の力を伸ばしてあげたいとき。よく使われるのが「褒める」というテクニックです。気になる人はどんどん褒めて、良い結果に繋げていきたい!と考え、実践する方は多いはず。しかし実は、特定の人だけをいつも褒めるのは、逆効果だとご存知ですか?

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直接強化と代理強化

心理学の言葉で、「直接強化」と「代理強化」と呼ばれるものがあります。直接強化とは、何かをした人に直接働きかけ、相手を変化させること。「良いことをした相手自身を褒める」のが、これにあたります。一方で代理強化とは、第三者への働きかけにより、相手に変化が起きることを言います。

例えば、仕事がデキる部下を上司が褒めたとします。こんなとき、もし仕事がデキない同僚がそれを聞いていたら、「ああいう風に行動すれば、褒められるんだ」と気づき、行動を変化させることもあるでしょう。これこそが代理強化です。

実はあまり効果がない代理強化!?

上司として部下に接するとき、相手への「直接強化」を意識して褒めるのはもちろんのこと、「これが周囲への良い刺激になってくれれば」と思っている方はいませんか? 営業成績が良い人だけをいつも褒め、「皆もこんな風に頑張ってね」とアピールする……。

そう珍しくもない光景ですが、実はあまり効果がないとされています。周囲に伝わるのは、「またあの人だけが褒められている」という事実だけ。その人の「努力」「過程」そして「結果」よりも、むしろ「その人だから褒められている」というイメージを与えかねません。

「こんなに頑張っているのに、自分は認めてもらえない」という孤独感に繋がり、モチベーションの低下を引き起こしてしまうこともあるのです。

褒めた相手にも逆効果!

特定の誰かだけを褒め続けると、悪影響を被るのは周囲の人々だけではありません。実は、褒めている相手にとっても逆効果となるケースがあるのです。安易に褒められると、人は「白々しい」「ウソっぽい」と感じ、褒めてくれる相手への信頼感が、薄れてしまうのです。

またそうした状況が継続することで、徐々に相手を見下すようにもなってしまいます。せっかく褒めているのに、実は相手を潰しかねない危険な事態だと言えるでしょう。

上手な褒め方とは

では逆効果にしないための、上手な褒め方とはいったいどんな方法なのでしょうか。実は非常に簡単なコツが、一つあります。それは「相手と二人きりのときに褒めること」です。ここぞという場面で、相手の仕事の過程や努力を褒めてあげてください。

たったこれだけで、より相手に伝わる言葉になるでしょう。

せっかくの褒め言葉を、相手にとっても周囲にとってもマイナスにしてしまわないために、ぜひ褒め方の作法を身に付けてみてはいかがでしょうか。

※この記事は2014年09月15日に公開されたものです

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