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「乾燥型」の人はニンニク・しょうがNG? 8つのタイプで判定! 意外と知らないカラダと食べものの関係

石部晃子

山本竜隆

『食べもので「体の不調」を治す本』夏になると、カレーのようにスパイシーなものを食べたくなりませんか? クーラーで冷えた体が温まるし、汗をかいてスッキリしますよね。

しかし、『食べもので「体の不調」を治す本』(アスコム刊)の著者であり、医師の山本竜隆先生は、「体質によっては、辛味の調味料やニンニク、しょうがなどをとることはおすすめできません」と訴えます。体にいいといわれている食材なのに、相性が悪い体質もあるなんて……。これはどのようにして見分ければよいのでしょうか。

■体質は8タイプにわけられる

山本先生によれば、人間の体質は大きく8タイプにわけることができるとのこと。体質は山本先生が監修したサイト「Pitali(ピタリ)」(http://pitali.jp/)で診断することができます。

○あなたはどのタイプ?

1.疲れ型→疲労しやすく体力が衰えている
2.冷え型→冷えの影響を受けやすい
3.乾燥型→乾燥が強く元気がない
4.むくみ型→体液の代謝が悪い
5.食べ過ぎ型→食生活が乱れている
6.ストレス型→ストレスや緊張感が続いている
7.血行不良型→血液循環が悪い
8.精神不安型→精神が不安定

たとえば、上記のようにニンニクやしょうががNGになるのは「乾燥型」というタイプ。ニンニクやしょうがには体を温める作用がありますが、「乾燥型」には向かないそう。胃粘膜の炎症や胸やけのときも、避けたほうがいいようです。

共同の著者であり薬膳のスペシャリストである石部晃子先生は、次のように語ってくれました。

「ニンニクやしょうがは、体をあたためたり、血や気を昇らせる作用が強くなっています。『乾燥型』は、それを緩和させるレモンやきゅうりを一緒にとるといいでしょう」

■「体によい食べもの」で体調を崩すことも!

テレビや雑誌などで「●●が美容にいい」「△△を食べて血液サラサラ」といった情報を得ると、さっそく試してみようと思いませんか?

しかし、このような「体によい食べもの」でも、体質によっては逆効果になることがあるそう。

「トマトは美容やダイエットに効果があるとされ、女性にも人気の食材ですよね。抗酸化成分のリコピンが含まれており、アンチエイジング効果も期待できるといわれています。ビタミンやミネラルも豊富なので、万能食材のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、それは食べものを『栄養素』という視点で見たときの話。中国で古くから伝わる医学である中医の視点から見れば、トマトは『清熱解毒』といって、余分な熱をさまし、有害物を解毒して血液を浄化する作用があるのです。そのため、冷え性の方が食べると、ますます冷えがひどくなってしまうので気をつけましょう」(山本先生)

ほかにも、健康食材として知られる玄米は、消化しにくい性質があるので胃腸が弱い人には負担になることがあるそう。また、体によいからといって、それだけを食べ続けることも問題あり。ひとつの食材だけではなく、バランスよく食べるようにしたいですね。

■「自然」を心がけた生活を

さらに、「体の不調の多くが、自然から遠ざかっていることと関係している」と山本先生はいいます。

「特に都会で暮らしている人は、体調が『なんとなくすぐれない』状態が多いですね。これはわずか数百年で、人間が急に自然から切り離されてしまったから。自然にあふれた環境に身をおき、昼夜のリズムに従って暮らすことは、健康的に生きるために必要なことなのです」(山本先生)

次に紹介する「自然欠乏症」のチェックリストで「いいえ」が多い人は、自然が不足している可能性大。あなたは「自然」が足りていますか?

○「自然欠乏症」チェックリスト

1.日の出と日没を意識して生活している(日の出前に起床し、日没から4時間以内に消灯している)
2.木材など自然素材の住宅に住んでいる
3.静寂さや、自然の音などを感じやすい場所で活動している
4.自然の香りを実感しやすい環境で活動している
5.綿や麻、絹など自然素材の衣服を着ていることが多い
6.携帯電話やパソコンに接することは少ない
7.長時間の自動車運転や電車通勤をしていない
8.主に自然食を摂取し、化学薬品は摂取していない
9.飲料物は、自然水や有機栽培などでつくられたものである
10.電気毛布や電子レンジ、電化製品は用いていない
11.日常的に森林浴、海水浴、日光浴などをしている
12.化学薬品を塗布または吸入していない

現代社会においては、すべてを「はい」にすることは難しいですよね。自然との距離を縮めるためには、「食事」を上手に活用したいところ。山本先生も「健康でいたいなら、できるだけ自然に近い食生活を取り戻すべき」と訴えます。まずは自分の体質を知り、自分に合った食材を選ぶことからはじめてみるといいかもしれませんね。

(取材協力:山本竜隆、文:OFFICE-SANGA)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.05)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年08月11日に公開されたものです

石部晃子

国際中医師、国際薬膳師。北京中医薬大学日本分校中医中薬学科卒業。「五感で感じる薬膳」をモットーに、自分自身で健康を管理し、病気やその疑いがある状態を食事で治すセルフメディケーションの普及を行っている。富士市を中心に静岡県内で薬膳教室・講演も実施中。

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山本竜隆

医師、医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒業、昭和大学大学院医学研究科修了、米国アリゾナ大学医学部統合医療Associate Fellowを1期生として修了。現在は富士山麓で、朝霧高原診療所院長、富士山静養園園主として、統合医療と地域医療に取り組んでいる。

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