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爪が緑色になる「グリーンネイル」 トラブルなく指先のおしゃれを楽しむ方法

萩原直見

水あめのような“ジェル”を爪にのせ、UVライトで固める「ジェルネイル」。一度ネイルサロンに行けば、3週間程度はキレイな爪をキープできると人気です。でも、その一方で爪が変色するなどのトラブルも発生しているとか。指先のおしゃれをトラブルなく楽しむ秘訣を日本ネイリスト協会・法制委員長の萩原直見さんに聞きました。

グリーンネイルを防ぐ方法
■爪が緑色になる「グリーンネイル」の原因と対策

「ジェルネイルは従来のスカルプチュア(人工爪)よりもナチュラルな装着感で、マニキュアよりも長持ちするのが特徴です。ネイルサロンの増加や自宅でできるジェルネイルキットの登場もあり、ここ10年ほどで急速に人気が出ました。ただ、長期間にわたって爪をおおうため、施術前の消毒や下地づくりに気を遣う必要があります。ジェルネイルの施術には本来正しい知識と技術が不可欠なんです」(萩原さん)

最近、トラブルとして注目を集めるのが、爪が緑に変色する「グリーンネイル」。浮いたジェルネイルと爪の隙間に緑膿菌が入り込み、爪が黒緑色になる感染症だとか。感染初期はうっすら茶色になるくらいなので、症状が進行するまで気づかず放置してしまうことも少なくないとか。

「実はジェルネイルは長時間の水濡れにより、もちが悪くなる場合があります。お風呂に入ると肌や爪がやわらかくなりますよね。ジェルネイル自体は水で変形することがないので、爪の変化によって隙間ができて浮いてしまいます。隙間には水分が残りやすく、湿気を好む緑膿菌などが繁殖しやすい環境をつくってしまうんです」(萩原さん)

また、グリーンネイルは自分でできる付け爪などでも報告されているとか。付け爪も接着したネイルチップと自爪の間に隙間がある場合も注意が必要です。

「食器洗いや花壇などの手入れをするときはグローブの着用をおすすめします。水濡れも防げますし、欠けや傷などの危険も減らせます。シールを剥がすなど、爪先にピンポイントで力がかかる作業も避けた方がいいですね」(萩原さん)

■ネイルサロンの正しい選び方とは?

トラブルなく指先のおしゃれを楽しむには、ネイルサロン選びも重要です。

「あまり知られていませんが、ネイルサロンの衛生基準は、国家資格である理容師美容師の衛生管理要領と共通する部分が多いんです。“人の体を扱うサービス業”として必要な衛生管理措置を手と足の爪、さらに施術部位に特化したかたちでまとめています。日本ネイリスト協会認定のネイルサロンは全国に約1,000店舗ありますが、衛生管理責任者をおくことは認定基準の1つです」(萩原さん)

日本ネイリスト協会では、2010年にネイルサロン衛生管理士という資格を設け、2014年現在は全国約3万5,800人の有資格者がいるそうです。ネイルサロンを予約する際は、JNA認定ネイルサロンであるかを確認したり、サロンのサイトに衛生管理についての記述があるかどうか確認すると安心だとか。

「さらにネイリストの仕事で大切なのが、お客様ひとりひとりの爪の健康状態をしっかりみるということです。実はプロとセルフで大きく差が出るのが、ジェルネイルをオフするとき。もともとのお客様の爪の厚みと健康状態をみながら、経験と知識をもってオフにかける時間や力の入れ具合などを調整します。状態が悪ければ、ネイルをお休みすることを提案したりすることもあります」(萩原さん)

セルフキットを使えば、気軽で費用も安くすむ反面、爪の状態を見極めるところまではなかなか到達できないのが実情。爪の表面を削りすぎたり、変色などのトラブルに気づかず、悪化させてしまうこともあるそうです。

「ネイルをオフするときはもちろん、ネイルが浮いたり、欠けや違和感を覚えたら、できるだけ早くネイルサロンに行くことをおすすめします。ただ、お仕事などされているとすぐには行けないということもあるかと思います。欠けてしまった場合は爪切りではなく、ヤスリでケアし、服などにひっかからないようにしましょう。ジェルが浮いた場合は通気性のいい絆創膏などでおさえ、乾燥を心がけましょう」(萩原さん)

これらはあくまでも応急処置。なるべく早めのタイミングにサロンに行き、しっかりメンテナンス&ケアを受けることがトラブル回避の第一歩だとか。ネイルも自分の体の一部だと考えて、ていねいなメンテナンスをして楽しみたいですね。

(松澤夏織+ガールズ健康ラボ)

※この記事は2014年05月12日に公開されたものです

萩原直見

NPO法人日本ネイリスト協会理事・法制委員会 委員長/名誉本部認定講師。NPO法人に本ネイリスト協会では1985年の設立以来、ネイリストの教育や消費者保護活動を積極的に行っている。http://www.nail.or.jp

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