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大切な人を結婚式に招待するときに、覚えておきたい「おもてなし3カ条」

結婚式において、?ゲストが喜ぶおもてなし?は、大人のたしなみとも言えるもの。でも、自分たちがホスト・ホステスになって誰かをもてなすなんて、そうそうありません。一生に一度の大事な日。結婚式ですべてのゲストに心地よく過ごしてもらえるおもてなし術を、国際的なレセプションやパーティなどに数多く出席し、ご自身も主催なさる、プロトコール&マナーの第一人者、上月マリア先生に教えていただきます。

◆おもてなしの3カ条◆
その1 一人ひとりに心が伝わるように工夫する
その2 五感を満たすとすべての人にお喜びいただける
その3 結婚式の前日まではホスト・ホステス、当日は主役に徹する

◆その1 一人ひとりに想いが伝わるように工夫する
大勢の方がおふたりのためにお集りくださる結婚式。人数が多く、時間も限られているため、一人ひとりと話す時間が取りにくいものですが、それでもきちんと全員に感謝の気持ちを伝えることがグッドマナー。招かれた方にとっても印象深い素敵な式になります。

かつて出席した友人の結婚式でのこと。披露宴も終盤にさしかかり、デザートが終わる頃に新郎新婦がスピーチをなさったのですが、「〇〇さん、あの時は〇〇してくれてありがとう」とゲスト一人ひとりの名前を呼んで、ちょっとしたエピソードとともに感謝の気持ちを伝えてくれました。プロトコールでは、ホスト・ホステスには「パーティに招いた全員とあいさつを交わす」というルールがあるのですが、その役割を素敵にアレンジしていることにと感動したものです。

また、以前にとてもよくして頂いたため私自身でも取り入れているおもてなしがあります。それは、末席に座って頂くゲストへの心配りです。導線上、出入りの多い場所や、少し騒がしい場所などに座って頂かざるを得ない方には、事前に「このようなお席なのだけど許して頂けるかしら」と相手の了承を得たり、パーティのあとに心ばかりのお菓子や手紙を添えてお礼をお伝えたりすると、格段に印象がよくなります。

◆その2 五感を満たすとすべての人にお喜びいただける
私たち日本人は一般的に、気遣いや奥ゆかしさを美徳としますが、時に気を遣いすぎて、かえって相手に不快な思いをさせてしまった、という人もいらっしゃるのではないでしょうか。特に結婚式ともなると、ゲストの年齢や性別、そして社会的な立場や出身地もさまざま。好みや文化の違いから、何を基準にすればよいか戸惑うこともあるかもしれません。

でも、そのような時でも必ずすべての人に楽しんでいただくことが出来るパーティのエッセンスがあります。それは、「ゲストの五感を満たすこと」です。五感はすべての人に共通のもの。特に、結婚式ではお料理に気を配る新郎新婦はとても多いと思います。美しく美味しいお料理は味覚・嗅覚・視覚を満足させてくれますね。

ほかにも、たとえば空調はいかがでしょう。寒い席ができてしまった時に、仕方ないで終わらせてはとても失礼ですし、ゲストも不快なまま過ごすことになります。特別なブランケットを用意して、「この席は寒いかもしれませんので、ブランケットをご用意しました。どうぞお使いください」とひと言メッセージを添えれば、「ちゃんと自分のことを考えてくれている」と感じて、気持ちよく過ごしていただけるでしょう。

また、新郎新婦は無臭であることも大切です。匂いは人によって、とても好みが分かれるもの。特に食事を伴う席では、料理の香りも楽しみの一つ。シェフが心を込めてご用意くださるごちそうの香りを邪魔しないことも、式に関わるすべての人に対するマナーなのです。たとえば国際会議など各国のトップが公式に来訪する際には、宿泊施設は1週間も前からエレベーターや部屋の中を、オゾンを焚くなどして完全に匂いを消すほどです。

◆その3 結婚式の前日まではホスト、当日は主役に徹する
結婚式という人生最大のレセプションにおいて、新郎新婦はホスト・ホステスであり、主役でもあります。おもてなしのために、色々と気を配るのも大切ですが、当日は主役として堂々と振る舞い、美しい姿をお見せすることこそお役目です。

準備の段階まではホスト・ホステスとしての自覚を持ち、綿密なスケジュールを立てて必要なことを丁寧にこなし、出席者一人ひとりのことを考え、全員の方に心地よく過ごして頂くことに心を砕きましょう。当日は、どうして自ら行いたいことを明確にし、ほかのことはすべて式場の方にお任せしましょう。そうしないと式の間中気になってしまい、視線も振る舞いも落ち着かず、すべての方に対して失礼ですし美しくもありません。ゆったりと優雅な振る舞いで美しい姿をお見せすることで、参列した方やご親族のお嬢さんが「私も花嫁さんになりたい」とあこがれて夢を抱いてくだされば、これも素敵な社会貢献になりますね。

※この記事は2014年05月08日に公開されたものです

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