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減ってる?増えている?北極の氷がどうなっているのか知っていますか?

「北極の海氷の面積が温暖化の影響でどんどん解けている!」という話が数年前にありましたが、あれから氷海の面積というのはどうなっているのでしょうか? そのままどんどん解けているのか、それとも意外なことに増えているのか……。

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今回は、北極の海氷がどうなっているのか、調べてみました。

海氷面積はそこまで減っていない!?

まず、北極の海氷の面積について調べてみました。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の北極圏海氷モニターの調査によると、2014年4月9日時点の北極の海氷面積は「1,373万3,392平方キロメートル」です。日本の国土面積が約40万平方キロメートル、アメリカが約990万平方キロメートルですので、北極の海氷がいかに大きいか分かりますね。

ちなみに、北極の海氷面積よりも広い国は、ロシア(約1,700万平方キロメートル)だけです。

現在、約1,373万平方キロメートルの北極の海氷ですが、過去10年間ではどうだったのでしょうか? 同じく、JAXAが公開している海氷面積データを調べてみました。データはそれぞれの年の4月9日の面積です。

・2003年……1,431万4,094平方キロメートル
・2004年……1,384万3,717平方キロメートル
・2005年……1,364万9,161平方キロメートル
・2006年……1,331万4,368平方キロメートル
・2007年……1,352万2,757平方キロメートル
・2008年……1,417万5,616平方キロメートル
・2009年……1,401万9,704平方キロメートル
・2010年……1,436万7,954平方キロメートル
・2011年……1,368万7,482平方キロメートル
・2012年……1,411万2,020平方キロメートル
・2013年……1,396万644平方キロメートル
※データ提供:JAXA(宇宙航空研究開発機構)

ここ10年間の4月9日の海氷面積はこのようになっています。単純に数値だけを見ると、上がったり下がったりで、常に減り続けているという印象は受けませんね。ただ、温暖化の問題がよく報道されていた2004-2008年あたりは、かなり数値が落ち込んでいます。

10年間では減っている印象はありませんが、もっと長期的な見方では、大きく減っているようです。気象庁の海洋診断調査によると、1978年からの長期間で見た場合、北極の海氷は明らかに減少しているとのことです。

年間最大値は、1980年代には約1,600万平方キロメートルだったそうですので、ここ30年で200万平方キロメートルも小さくなっています。

北極海の海氷が解けてしまうとどうなるのかご存じでしょうか? 太陽放射の反射率が高い北極や南極の海氷が解けてしまうと、地球が太陽放射をどんどん吸収し、その結果、さらなる地球温暖化につながります。そうなると、さらに海氷が解けて温暖化になり……まさに悪循環です。

ちなみに、「海氷が解けると海の水位も急上昇する」という話がありますが、海氷は本来海水だったものが凍っただけなので、海面の急上昇につながるものではないそうです。

「北極の海氷は、21世紀後半までにほぼ完全に消滅する」といった予測もあります。世界各国で温室効果ガスの削減に取り組んでいる昨今、民間レベルでも地道な活動をしていけるといいですね。

(貫井康徳@dcp)

※この記事は2014年04月27日に公開されたものです

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