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抜け毛に悩む20~30代女性が急増中!? 今、女性が気になる「薄毛問題」

女性の髪の毛「男性にハゲはあるが、女性にハゲはない」そんな思い込みを持っている人は少なくありません。しかし、一般的に女性の髪の毛は30代の半ばから後半を境に、細くなる、抜ける、うねりがでるなどの変化が起こり始めるのです。美しい髪の毛を保つためにできることは?

原因は加齢だけじゃない。薄毛に悩む女性が増加傾向に

そもそも、なぜ抜け毛・薄毛といったトラブルが起きるのでしょうか。髪の毛を美しく保つのは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンです。エストロゲンの分泌量のピークは20代後半で、30代から徐々に減り始め、45歳から55歳と言われる更年期になると激減します。そのため、30代から髪の毛にうねりなどが生じ始め、40代からは白髪や薄毛といったトラブルが増えてくるのです。

では、20代から30代前半なら安心なのかというと、実はそうではありません。

女性専門頭髪外来をもつ「AACクリニック銀座」院長の浜中聡子医師は、「20代、30代の薄毛の悩みは増えている」と実感しています。2007年の頭髪外来開設以来、女性患者数は年々増加傾向。来院患者数は外来スタート当初から約5倍以上となり、新規患者の30%は20代から30代の女性なのだそうです。その大きな原因は、生活習慣の乱れとストレスだと浜中医師は言います。

「20代前半は仕事や人間関係のストレスが急激に増える時期であり、20代後半から30代前半は結婚や子育てといった環境の変化もあるため、それらもストレスの要因になります。仕事や育児で睡眠不足になったり、過激なダイエットで食生活が乱れていたりする人も少なくありません。ストレスや生活習慣の乱れが、頭皮の血行を悪化させて栄養不足を招き、若い女性の髪の毛の成長に悪影響を与えているのです」

薄毛の原因はさまざま。まずは生活習慣を改善

若い女性の抜け毛には、さまざまな原因があります。まずはその主だった要因について見てみましょう。

1)睡眠不足
睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の2種類があり、睡眠中はこの2つが交互に訪れるものです。髪の毛の成育を促す成長ホルモンは、ノンレム睡眠のときに大量に分泌されます。そのピークは午後10時から午前2時。この時間帯に深い眠りについていなければ、質のいい成長ホルモンの分泌は期待できません。
薄毛を予防したいなら、最低でも日付が変わる前には就寝したいものです。ただ、最近は就寝直前までパソコンやスマホの明るい画面を見つめ続けているため、なかなか寝つけない、深い眠りが訪れにくいなどのトラブルも生じ、睡眠障害などの原因になっています。
「午後から夕方にかけて軽い運動をし、夕飯やお酒、スマホなどは就寝2時間前までに終わらせて、おだやかな気持ちで入眠できるといいですね」(浜中医師)

2)栄養バランスの悪さ
外食の増加やダイエットなどで栄養バランスが崩れている女性が増えていますが、毛根に十分な栄養を与えないと、健康な髪の毛は生えてきません。まず、必要なものはたんぱく質。脂肪分の少ない肉類や大豆は毎日とりたいものです。さらに、髪質をよくする亜鉛や鉄分、銅、ビタミンB群は欠かせません。ごま、海藻、きのこ、多種類の野菜をとるように心がけましょう。

3)喫煙や飲酒
「育毛に効果がある」と話題のポリフェノール。赤ワインに多く含まれているとはいえ、アルコールを体内で分解するときに髪の毛の健康に必要な栄養素が使い果たされてしまうため、過度の飲酒は禁物です。また、喫煙によるニコチンやタールは、毛細血管を収縮させて頭皮の血行を悪くするため、髪の毛に必要な栄養分が届きません。20~30代の女性の喫煙率は約12%ですが、喫煙は百害あって一利なしですので、禁煙することがおすすめです。

このほか、女性に多い鉄欠乏性貧血も、抜け毛や白髪の大きな原因に。貧血もまた、不規則な生活や食生活の乱れと無縁ではないので、気になる人は生活改善をしてみましょう。

効果が出ないときには医学的な治療を

生活習慣を整えても抜け毛が改善しない場合には、専門医を受診しましょう。
「皮膚科が基本ですが、頭髪の治療に詳しい医師かどうかの下調べは必要です。インターネットなどで事前に確認しておくといいでしょう」(浜中医師)
薄毛の治療は一般的に、内服薬と外用薬の処方が中心になります。主な有効成分としては、発毛効果が認められた「ミノキシジル」があげられます。
「20代、30代であれば栄養不足を改善するほうが優先されることもあるので、マルチビタミン、鉄、銅、亜鉛などのサプリメントを処方することもあります。髪の毛の成長に必要なアミノ酸やビタミンなどを高濃度に配合した点滴をすることも」(浜中医師)

なかなか人に相談しにくい髪の毛の悩み。不安がある場合には、女性の頭髪の専門医を探してみるのも一つの方法です。

(取材協力:浜中聡子、文:神素子)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.05)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年04月15日に公開されたものです

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