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嘘をつくのはなぜ? 平気で嘘をつく人の特徴と心理

高見綾(心理カウンセラー)

山本リリー

信じていた人からの嘘ほど悲しくなってしまうことはありません。信じていたからこそ何でも話してほしかった,
と裏切られたという気持ちになってしまいます。嘘をつかれてしまうとすべてが嘘のように感じ、そしてどれが本当なのか疑ってしまう気持ちも芽生えてしまいますよね。しかし、なぜ人は嘘をついてしまうのでしょうか。今回は嘘をつく人の心理について、心理カウンセラーの高見綾さん解説をしてもらいました。

嘘をつく人の特徴

日常的に嘘をついてしまうのをやめられないという人がいます。嘘をつき続け、やがて誰にも信用されなくなるという「オオカミ少年」という有名な童話もありますね。嘘をついてしまう人はどのような特徴があるのでしょうか。

虚言癖って?

虚言癖とは嘘をついてしまう人のこと

「虚言癖」とはどうしても嘘をついてしまう人の性質をあらわす言葉で、日常の中で嘘をつくことが習慣のようになっていることをいいます。たとえば、本当はちがうのに「有名企業に勤めている」、「海外に住んでいたことがある」といった作り話をして、人からの評価や関心を得ようとする場合。さらに「身体が弱くてアレルギーがある」などといって同情を引こうとする場合も。虚言癖が強くなると、些細なことでも嘘をつき、次第に嘘と現実との境目が曖昧になってくることもあります。

虚言癖の原因とは

虚言癖は自分に自信がなくてコンプレックスが強く、注目されたい、人から認めてもらいたいという欲求を強く持っている人に起こる傾向があります。幼少期の親子関係が影響しているケースもありますが「ありのままの自分ではダメだ、受け入れてもらえない」といった心の傷を持っていることが多いです。そのため、自信のなさを隠すために嘘に嘘を積み重ね、自分を正当化しようとしてしまうのです。

反社会性パーソナリティ障害とは

ルールを守らず他人を大切にできない障害

「反社会性パーソナリティ障害」とは、法律や社会のルールを守ろうとせず、人に対して不誠実で、他人を傷つけてもそれを正当化してしまう特徴のある障害のこと。子どもの頃から素行が悪く、万引きや飲酒運転、スピード違反などで逮捕されるような行為を繰り返したり、仕事が続かず周囲の人へ暴力を振るったりといったことが挙げられます。性的にも不誠実で相手を大切にすることができなかったり、子どもへの虐待や育児放棄につながったりするケースもあります。

反社会性パーソナリティ障害の原因

親が育児放棄をしていたり、子どもに無関心だったりと、十分な愛情を受けられず親子の結びつきが弱い状態で育ってきてしまうと、人との関わりに問題が生じ、他人の感情に共感したり、人を大切にする感覚が育たないことがあります。「世の中は自分に対して何もしてくれない」「自分は必要のない人間だ」と被害者的な感覚が強い人に起こる傾向が。社会への怒りや恨みを持ち、人を傷つけても「相手が悪い」などといって自分の行為を正当化してしまうのです。

嘘をつく人の特徴や共通点

他人を思ってつく嘘

他人を思ってつく嘘は、親に心配をかけないように「大丈夫だよ」と言う嘘や、人間関係がこじれないように知っていることでも「私、知らない」と言うなど、その場の状況に応じて誰かを守るためのものです。

自分のためにつく嘘

自分のためにつく嘘は、何らかの欲求を満たしたくてつくもの。一番多いのは、愛を失うのが怖くてつく嘘や、自分をよく見せるための嘘です。「あなただけだよ」と言いながら複数人と付き合っていたり、本当は知り合い程度の関係しかないのに「〇〇さん(周囲から一目置かれている人)とすごく仲よしなの」と言って、自分をよく見せようとしたり。嘘をつく人は基本的に自信がありません。そのままの自分では不十分であるという自己認識を持っています。それゆえ嘘をついて自分を守っているのです。

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