5月17日にはアイスクリームとホットドッグを食べるのが一般的!? 国中で盛大にお祝いするノルウェーの憲法記念日
「5月17日」はノルウェー国民にとって大事な「憲法記念日」。1814年に制定され、今年2014年は200周年記念ともなるため、1年を通してさまざまなイベントが予定されています。ナショナルデーであるこの日、ノルウェーの人々は何をするのでしょうか?
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子どもたちのパレードが王宮に向かって行進
憲法記念日は、子どもが主役の日でもあります。国中のいたるところで、学校ごとのブラスバンド部が長い行列を作って街中を行進します。子どもたちは、色鮮やかなユニフォームに身を包み、打楽器で音楽を奏でます。
特に首都・オスロで開催されるパレードは圧巻! 一行は、大通りのカール・ヨハン通りを王宮まで行進します。子どもたちによるパレードの後には、「ルス/Russ」と呼ばれる卒業間近の高校生の行列が続きます。
パレードのゴール地点は王宮。ここでは、王室一家がバルコニーから国民に向かってずっと手を振っています。この王室一家の挨拶の習慣は1906年から始まったもので、以来、憲法記念日当日には欠かせないシーンに。パレードが終了する夕方まで、王室一家は起立したまま、休むことなく国民に手を振り続けます。
おしゃれな民族衣装「ブーナッド」
憲法記念日には、ノルウェー人はいつもよりおしゃれな格好をします。一般的なドレスコードは、「ブーナッド/Bunad」と呼ばれる民族衣装です。ブーナッドを着用すると、なぜかノルウェー人がいつも以上に美男美女に見えます。
衣装のデザインは出身地域によって異なり、祖父母から受け継いだというものを着ている人もたくさんいます。民族衣装のほかにも、男性はタキシード、女性はワンピース(主役の色は国旗の赤・青・白の3色)を着る人も。
民族衣装を着た子どもたちはとてもかわいらしく、見ているだけで癒されます。
ノルウェー人は国旗が大好き!
ノルウェー人は国旗が大好きで、赤・青・白の3色で彩られた国旗のブローチ、リボン、旗などを手に持って、子どもたちのパレードを見物。憲法記念日直前になると、本屋や文房具屋では、ノルウェー国旗のペーパーナプキン、シール、アクセサリーが販売され始めるので、旅行者は国旗デザインのかわいいお土産を買うことができます。
この日、人々は何度も「ヒップ、ヒップ、フッラー/Hipp, hipp, hurra!」という歓声をあげます。これはお祝いの場での定番の掛け声で、「万歳」という意味に相当します。
憲法記念日に食べるものとは?
パレード前には、自宅や学校で、いつもよりもちょっと豪華な朝食会が開かれます。そしてパレード後には、友人同士で公園などの屋外でバーベキューを楽しんだり、レストランや家庭で食事したりします。特に「ブロートカーケ/Blotkake」、別名「5月17日のケーキ」と呼ばれる、ストロベリーとブルーベリーたっぷりのケーキは人気です。
また、憲法記念日には、ノルウェー人が大好きな、アイスクリームと「ポルセ/polse」と呼ばれるホットドッグをたくさん食べることが習慣となっています。
この日にノルウェーへの旅行予定がある方は、1年に1度しかない大規模なイベントを見ることができるので、とてもラッキーといえるでしょう。しかし、祝祭日のため、多くの観光スポットや飲食店はクローズしているので注意が必要。
レストランの一部は開いていますが、ノルウェー人による予約で埋まりがちのため、旅行前からの事前予約が必要です。
パレードのコースは毎年決まっているので、ホテルの受付や観光案内所などに問い合わせて教えてもらいましょう。
※Blotekakeとpolseの「o」は、ノルウェー語表記では右上から左下へ斜線が入ります。
●文・写真 鐙麻樹
著者プロフィール
鐙麻樹(あぶみ あさき)。上智大学フランス語学科2008年卒業。オスロ大学メディア学学科2012年卒業。同大学大学院メディア学修士課程在学中。ジャーナリスト、フォトグラファーとして、雑誌、WEB、旅行ガイドブックを中心にノルウェー現地から数多くの原稿や写真を寄稿。6カ国語の海外ニュース翻訳家、メディア/企業コーディネーター兼アドバイザーとしても幅広く活動中。
ホームページ http://www.asakiabumi.com/
All Aboutノルウェーガイド http://allabout.co.jp/gm/gp/1080/
地球の歩き方オスロ特派員ブログ http://tokuhain.arukikata.co.jp/oslo/
※この記事は2014年04月13日に公開されたものです