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相槌は「ニャー」「チャー」でOK!? 覚えておきたいノルウェー語講座

ノルウェーのオスロ大学でノルウェー語を履修する留学生(左から1人目:ミカエル・ワークさん、3人目:宮下大夢さん、4人目:有我友希さん) Photo:Asaki Abumi

北欧の言語は日本ではあまりなじみがないかもしれません。簡単に説明すると、スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語はある程度似ていますが、フィンランド語は大きく異なります。ノルウェー語が習得できたら、なんとスウェーデン語の口語・文語、デンマーク語の文語は、大部分が理解できるのです。

【ノルウェー語なのに英語でスペルチェック―誤字だらけのモニュメントが完成】

就労・正規留学するならノルウェー語が必要

じつはノルウェー語には「ブークモル」と「ニーノシュク」の2種類の母国語があり、加えてさまざまな「方言」にも聞き慣れる必要があります。

しかし、北欧の人々は英語が堪能なために、英語だけでも居住や旅行は可能です。1年間の交換留学生の多くは、英語のみで生活しています。

しかし、ノルウェーの大学で正規の学生になりたい場合は、ノルウェー語の習得が必要。大学では、「2種類のノルウェー語」、「スウェーデン語」、「デンマーク語」、「英語」と、数言語で文献を読む能力が求められる場合もあります。

場合によっては英語のみでも就労はできますが、ノルウェー語ができたほうが就職活動では圧倒的に有利でしょう。

ノルウェー語はカンタンなの?

一部のインターネットサイトでは、「数行の英語の文章が、ノルウェー語ではワンフレーズで表現できる」といわれているようです。

「え! ノルウェー語が簡単なんて、どこからそのようなデマ情報が!?」と、目を丸くしながら笑ったのは、オスロ大学でノルウェー語を学ぶ日本人留学生、早稲田大学大学院生博士課程1年生の宮下大夢さん(26歳)と、関西学院大学3年生の有我友希さん(20歳)。

キャンパス内の食堂で、ノルウェー語と日本語を学ぶ学生が集う「勉強会」に参加し、難しい宿題に必死に取り組みます。

宮下さんによれば、「英語でも生活はできるが、現地の言葉が少しでも話せたほうがノルウェー人と仲良くなれる。看板や広告の内容がわかるようになってきて、世界感も広がった」とのこと。「前置詞に苦労しているが、言葉がわかるようになると毎日がもっと楽しくなる」と有我さんも語ります。

ノルウェー語の教科書には、歴史や社会システムも反映 Photo:Asaki Abumi

では、「ノルウェーは簡単!」というネットでの真相は実のところどうなのでしょうか? 日本語が堪能な、オスロ大学大学院で現代日本を専攻するミカエル・ワークさん(23歳)に、初歩的な言葉をピックアップして解説いただいたので、みなさんも意味を考えてみてください。

【これは一体どういう意味? 初級ノルウェー語Q&A】

Q1.「ハァ?/Hae?」(※「Hae」の「a」と「e」は、ノルウェー語表記では一文字にくっつきます)

A1.「え? いまなんて言ったの? もう一回言ってもらえる?」
敬語ではないので、仲のよい友人同士の会話に使います。さらに柔らかい表現で、「Hmm?(フン?)」というものもあります。

Q2.「オイ!/Oi!」

A2.優しく「あらあら」、「おやまぁ」という「驚き」を示す表現です。
日本語の「おい!」は乱暴に聞こえますが、ノルウェー語では正反対。「オイ・サン/Oi san」と言うと、気持ちがさらにこもります。

Q3.「ネイ、メン!/Nei men!」

A3.「あー、君か。久しぶりだね」
ご無沙汰の友人に偶然会ったときに、とっさに出る言葉です。「いや、でも」と話題を変えるときにも使われます。

Q4.「エッレルシュ?/Ellers?」

A4. 「それで? ほかには?」
ノルウェー人は会話での沈黙を嫌がるので、話題に困ったときに、沈黙を埋める言葉として使用します。

Q5.「ドゥ?/Du?」

A5.これは英語で「You?」という意味なのですが、ノルウェー語に慣れてない相手は、失礼だなと感じてしまうかもしれません。ネイティブは、あまり意味は考えず、日本語の「ねぇねぇ」のように使っています。

「ニャー」と猫語を話すノルウェー人

最後に、面白いノルウェー語をワークさんが教えてくれました。「ニャー/Nja」という、まるで猫のような言葉。これは相手の主張に対して、「うーん、どうだろうな」と肯定も否定もしない相槌だそうです。

また、「うーん、わからない」という意味で「チャー/Tja」という音を発することも。「その話題について詳しくないので、よい答えを提示してあげられない」ときの反応として出る言葉だそうです。

知れば知るほど、面白く、奥の深いノルウェー語。旅行前にはぜひ簡単なフレーズを覚えて、ノルウェー人に話しかけてみてください。シャイなノルウェー人は、きっと喜んでくれることでしょう。

※当記事で紹介された会話フレーズには、ノルウェー語での別の丁寧な表現方法もあり、あくまでも大雑把な解説となります。

●文・写真 鐙麻樹

著者プロフィール

鐙麻樹(あぶみ あさき)。上智大学フランス語学科2008年卒業。オスロ大学メディア学学科2012年卒業。同大学大学院メディア学修士課程在学中。ジャーナリスト、フォトグラファーとして、雑誌、WEB、旅行ガイドブックを中心にノルウェー現地から数多くの原稿や写真を寄稿。6カ国語の海外ニュース翻訳家、メディア/企業コーディネーター兼アドバイザーとしても幅広く活動中。
ホームページ http://www.asakiabumi.com/
All Aboutノルウェーガイド http://allabout.co.jp/gm/gp/1080/
地球の歩き方オスロ特派員ブログ http://tokuhain.arukikata.co.jp/oslo/

※この記事は2014年04月11日に公開されたものです

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