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ふ、ふたがしまらない!巨大な野菜天丼―福島県西会津の「ふるさと薬膳 櫟(いちい)」の天丼やぐら

道の駅にしあいづ「よりっせ」売店の奥にあるレストラン入り口

昨今、「道の駅」も全国的に増え続けている。一般道沿いにあるため、地元の色を出したつくりになっており、PRの仕方もさまざま。福島県西会津町の道の駅にしあいづ「よりっせ」(会津地方の方言で立ち寄って行ってくださいの意)内のレストランには、ちょっと変わったデカ盛りがあるという。

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レストランの名は、「ふるさと薬膳 櫟(いちい)」。この情報をキャッチした我々は、カーナビを頼りに向かうのであった。

道の駅にデカ盛りはあるのか?

この店のラストオーダー18時半。時間ギリギリで滑り込み、目指すレストランを探すべく地元会津の銘産品が揃う売店を進んでいくと、食事処ののれんが見えた。しかし、入り口にあるメニュー看板を見てもデカ盛りらしき料理は見当たらない。

本当にここでデカ盛りメニューを食べることはできるのか? ここはやはり店員さんに聞くのが一番だろう。お冷を運んできてくれた店員さんに「ここでデカ盛りを食べられると聞いてきたのですが……」と聞いてみた。

「デカ盛り? よくわからないけど、天丼を頼んだお客さんはみんな写真撮っていくかなあ?」

きっとそれだ! その天丼をお願いしたところ、「いいけど、この時期は野菜の天ぷらしかないよ。この時間、天ぷらにできるのは大したもんないけど、それでもいいかい?」という返事。もちろん、それをお願いします!

「じゃあ、ちょっと待ってね」

ほぼラストオーダーの時間に来店したにも関わらず、あたたかい雰囲気で応対してくれてほっとする。

丼のふたがしまらないほどの迫力!

「お待たせしてごめんね~。おなかすいたでしょ?」

そういいながら店員さんが運んでくれた天丼を見て、思わずのけぞってしまった。

これが地元野菜を使った天丼。味噌汁とお新香がついてくる

「今日は葉物しかなくてねえ。毎日採れた野菜が中心で、魚介がある時もあるんだけど、なんせ山の中なもんでね。葉物もたいしたのなくてこれは春菊で、あとはかぼちゃとなんだっけ? まあ食べてみて」

謙遜すぎる説明とはうらはらに、丼にそびえたつ巨大天ぷらに一同凝視したまま声も出ず。

「ふたは閉まらないからいらないと思うけど、取り皿に使ってね」

春菊はそのまま揚げたと思われる大きさで、大人の男性の手のひらよりデカいっ! あさつきの天ぷらも、ダイナミックにそのまま揚げられているようだ。

丼の上には野菜の天ぷらが、まるでお祭りのやぐらを組むかのように、そびえ立っている。これらを支える土台として、かぼちゃやさつまいもの天ぷらがドンとかまえていた。

今まで我々が目にしてきたデカ盛りは、器からすでに「デカ盛りです!」と存在感を強調しているものが多かった。

しかし、この天丼の器は普通のサイズ。しかもご飯は天ぷらやぐら全体の基礎と化している。通常の天丼は、天ぷらよりもご飯の方が多く盛られ、あくまでもご飯のおかずとして天ぷらが載っているスタイルだが、ここでは天ぷらの存在感がハンパない。

箸で支えてかぶりつくしかない!?

どうやって食べようか思案した結果、思い切ってかぶり付くことに。しかし、箸では持ちあげられず、箸で天ぷらを支えながら豪快に最初の一口をいってみる。

サクっ! なんと軽い食感なんだ!

葉物の天ぷらにありがちな油のベタっとした感じはなく、香ばしい食感が口いっぱいに広がった。一口めで十分な満足感を得た我々は、一気に食べ進めるのだが……。

見た目とは違うボリュームに驚愕

食べながらふと気付く。基礎であるご飯にたどりついていないことに。見た目が普通の丼と思い甘く見ていた。もっと正直にいうと、デカ盛りとしては弱いのではないか? と、がっかりしてしまったのも確かだ。

しかし、見た目では判断してはいけない。数分たっても、ご飯の姿を目にしているものは取材班の中で誰一人としていないのだから。我々の築いてきた「デカ盛り魂」を改めて思い出さなければ制覇も危うい。

ちょっと変わったデカ盛り。制覇してやろうじゃないの!

会津を舞台にした昨年の大河ドラマの主役、綾瀬はるかさん演じる新島八重になったつもりで、一同、天丼に集中した。

味噌汁とお新香にも助けられ、何とか完食。野菜の天ぷらだからと甘くみていたこともあり、今回の制覇はきつかった……。いくら軽い食感とはいえ、揚げものである。ボリュームがあることもあり、食後は胃がはちきれそうになった。

見た目が普通のデカ盛りには初めて出会った取材班だが、どんなときも油断は禁物と改めて実感させられる。

最後の一粒まで完食。丼のフタは取り皿にしか使わなかった

地元農家で採れた新鮮な野菜、山菜をふんだんに使った天ぷらは食べ応えがあり、魚介がなくても十分に満足できた。

この天丼は、味噌汁とお新香つきで750円。デカ盛りファンに不足しがちな野菜を摂取できるので、肉や魚に飽きたときにいかがだろうか。

●information
道の駅 にしあいづ よりっせ ふるさと薬膳 櫟(いちい)
福島県耶麻郡西会津町野沢字下條乙1969-26
年中無休
磐越西線 野沢駅から徒歩約10分
磐越自動車道西会津インターより国道49号で約3分

(OFFICE-SANGA)

※この記事は2014年02月26日に公開されたものです

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