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もしも電子レンジでゆで卵を作るなら「ホイルでくるんだ卵を水の入った大きめの容器に沈める」

家庭でも職場でも大活躍の電子レンジ。お弁当の温めから料理の下ごしらえまで幅広く使えるが、密閉されたものをチンすると破裂するので注意が必要だ。

【電子レンジに入れても冷凍食品が解凍されにくい理由】

密閉された食品の代表・卵をチンするとどうなるのか? お湯でゆでても割れやすい卵の殻を厳重にラップでくるめば何とかなるが、むいた瞬間に中身が噴き出す「卵爆弾」ができてしまう。意外なことに、電子レンジでは禁じ手のアルミホイルを使うと、おいしいゆで卵が作れるのだ。

一家に1.03台・電子レンジ

電子レンジは電波を使った調理器で、水の分子を振動させて加熱する。第二次世界大戦中にレーダーを開発していたところ、電波が当たると加熱されることを偶然見つけたのが始まりとされている。携帯電話やTVをはじめ日常は電波であふれているので、電波=加熱と聞くと少々心配になるが、音に例えれば高さ(=周波数)の違いがあり、どの周波数でも加熱できるわけではない。

電子レンジは水に焦点を絞り、1秒間に24億5千万回もの波が起きる2,450MHz(メガ・ヘルツ)にセットされている。海外でマイクロウェーブ・オーブンと呼ばれるのは、波の間隔が狭いマイクロ波を使っているのが理由だ。

ガスの強火は誰でもできるが、弱火・とろ火と言われても料理に興味のない人には戸惑うだけだ。対して電子レンジは目安のワット数と加熱時間が表示されているので間違えようがない。たとえワット数が違っても、表示のワット×秒数÷手持ちのレンジのワット数=加熱秒数から、大よそ計算できるのも有り難い。

利便性の高さから今では当たり前の調理器具となり、総務省統計局の平成21年の資料によると、1,000世帯あたりの普及率は、

・単身世帯(男) … 88.5%

・単身世帯(女) … 95.0%

・二人以上の世帯 … 103.2%

と非常に高い。簡単料理の代表格であるゆで卵が電子レンジで作れれば、単身男性の食卓に華を添えてくれるに違いない。

レンジでゆで卵は究極のムダ?

きれいなゆで卵を作るにはいくつかの条件があり、最初に考慮するべきはなぜ割れてしまうかだ。これは内部が急激に膨張するからで、ゆっくり加熱すれば問題ない。冷水からゆでると割れないのは、卵の温度がなだらかに上昇するからだ。

つぎは固まる温度の差で、外側の白身が75~78℃なのに対し、内側の黄身は65~70℃と低い。音や光と同様に、レンジのマイクロ波も距離が遠く、障害物が多いほど弱まる。エネルギーは1cmの深さで50%、3cmでは12.5%に減衰するので、鶏卵の大きさを考えると表面vs中心は8:1ぐらいとなり、白身だけが急激に固まり割れてしまう。

ラップをグルグルに巻いて割れるのを防ぐ猛者もいるが、これでは黄身がマグマ状態で、食べようとした瞬間に噴き出しヤケドしてしまう。

危険すぎるぞ半熟卵。やはり固ゆで(ハード・ボイルド)が望ましい。

原点に戻って「ゆでる」に着目しよう。要するに卵を直接加熱しないでお湯で温めれば良いのだ。マイクロ波の影響を受けないようにするには、金属でシールドしてしまうのが一番で、エレベーターのように金属で囲まれた空間は電波が届かないのと同様に、アルミホイルで卵をすきまなくくるめば加熱されずに済む。

この状態でチンすると、アルミホイルに火花が飛ぶだけのムダムダムダに終わる。そこで本来の「ゆで」卵にするため、大きめのコップに水をはり、ホイルでくるんだ卵を完全に沈める。卵の大きさにもよるが500ワットであれば5,6分程度加熱すれば完成だ。

アルミホイルでマイクロ波を防いでまで、電子レンジを使う必要があるのかと問われれば、自信が持てる理由が見つからない。しかもコップに入れて水に沈めるなら、鍋でゆでたほうが手軽に思える。

まさにムダの美学な調理方法だが、早いしおいしかったので不問としよう。

まとめ

お椀に卵を割りラップをかけてチンしたら爆発した。ラップまで吹き飛ばされ、レンジ内が半熟ゆで卵まみれになってしまった。

黄身に穴を開けなかったのが敗因だ。電子レンジをかたくなに拒否する姿は、鶏卵だけにハード・ボイルドと呼ぶべきだろう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年01月29日に公開されたものです

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