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意外と知らない食品カロリーの計算法「産地や時期で変わる」

新年会が続き、女子としては体重増加が気になる季節。特にメニューのカロリー表示を見ては、「こんなにあるの!」なんてビックリすることもよくあります。

ところがよく見てみると、似たような商品でも微妙にカロリーの数値は違うもの。そもそも食品のカロリーとは、どうやって決まっているのでしょうか。管理栄養士の柴田真希さんにうかがいました。

※熱量の正式名称はエネルギーですが、ここでは解かりやすいようにカロリーと呼びます。

体におけるカロリーの役割

ダイエットを考えたとき、「カロリー」には良くないイメージがありますよね。しかし実は、体内で重要な働きをしているのです。

「食品のカロリーとは、私たちの体の中で消化・吸収される過程で使われる(代謝される)ときに発生するエネルギー量のことで、『エネルギー源』と呼ばれるものです。私たちにとってのエネルギー源となるのは3つ。タンパク質・糖質・脂質で、これらは『三大栄養素』と呼ばれています」

エネルギー(カロリー)があるからこそ、日常生活が過ごせるのですね。

カロリー計算の内訳

カロリー計算については、3つの内訳に分かれるとのこと。

「三大栄養素は、1gあたりのカロリーが『タンパク質:4kcal、糖質:4kcal、脂質:9kcal』となっています。食品のカロリーを計算するには、三大栄養素の含有量を算出し、1gあたりのカロリーを乗じることで求められます」

脂質のカロリーはほかと比べて、やはり高いですね。実際にどう計算するのでしょうか。

「栄養価を調べる際に用いられるのが、文部科学省が発行している『日本食品標準成分表』です。一つひとつの重さを量り、食品成分表と照らし合わせます。

食品成分表に記載されている数値は、すべて食品の可食部100gあたりの表記です。例えば、オレンジのカロリーを調べる際は、一番外側の皮は食べられませんので、実の部分のみの重さで計算することとなります。

すべて『g(グラム)』で表記されていますので、醤油やお酒などの液体も『cc』や『mL』ではなく、『g』で計算をします」

カロリーが一定ではない理由

実は食品の性質上、物によってカロリー数値は変わるとのこと。理由は主に2つあります。

1.産地や時期により変わる

「食品は自然界のものなので、いつも栄養価が一定とは限りません。同じ食材でも、全国各地でさまざまな時期に収穫されますので、それらがすべて同じ栄養成分ではないのです。旬の時期は食品成分表よりも栄養価が高い場合がありますし、その逆もあります」

果物などの甘さを表す糖度は、1度上がると100g当たり4kcal増加します。たとえばみかんの場合、7月は約7~8度、9~10月に出回る極早生みかんの平均値は約10度。旬に出回るブランドみかんは12度以上になるものも多いので、1年を通じて約20kcalもの差が生じることも考えられますよね。

日本食品標準成分表では、これらの平均値を表しています。

2.個別測定の場合も

「調味料や加工品など、実際にその食品を栄養分析にかけて測定する場合もあります。その際は、使用した食材を単純に足した食品成分表の測定値とは異なることもありますね。例えば、マヨネーズの場合はメーカーにより配合内容や量も異なりますが、A社は大さじ1あたり110kcal、B社は100kcalです」

加工食品のカロリーが実際の使用食材の合計値と異なるのは、原材料や配合量だけでなく、個別測定も関係しているのですね。

一口にカロリーと言っても、その中身はさまざま。最後に柴田さんは、「同じものを食べていても太りやすかったり、体調が良くなったり、人によってさまざまです。カロリーはあくまで参考に、数字ばかりにとらわれず、皆で囲む食事を楽しみましょう」とアドバイス。

食品同様、人にも体質があります。カロリーのみを鵜呑みにせず、自分の体調や体質にも向き合って食事を楽しみたいですね。

●監修
柴田真希。管理栄養士、雑穀料理家。1981年、東京生まれ。女子栄養大学短期大学部卒業後、給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などの業務に携わり、独立。雑穀のブランド「美穀小町」、料理家ユニット「Love Table Labo.」を立ち上げるほか、テレビ・ラジオなどのお料理コーナーの番組出演をはじめ、各種出版・WEB媒体にレシピ・コラムの掲載や食品メーカーのアドバイザーなどを手がける。ブログ http://ameblo.jp/makitchen/

(OFFICE-SANGA 宮野茉莉子)

※この記事は2014年01月16日に公開されたものです

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