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なぜ居酒屋ランチは安くて豪華? 客が知らないお店の事情・4つ

何気なく通っているお店をよく見ると、ちょっとした共通点に疑問を感じることがありませんか? 今回は「ドラッグストア」「100円ショップ」「スーパー」「居酒屋」にまつわる素朴な疑問について、店舗経営コンサルタント・金井啓さんにうかがいました。

疑問1:なぜ、ドラッグストアの照明は特別明るいの?

スーパーやコンビニなどに比べても、ドラッグストアの照明は格段に明るく感じます。

「2つの理由があります。1つは、人にも虫と同じように明るいところに寄りつく習性があるため、その習性を利用しているんですね。

また、ドラッグストアは今のところ、まったく差別的要素がありません……。その結果、価格競争か明るさ競争が進んでいるため、ほかの業種よりも異常に明るいという現象が起きており、省エネの観点からは問題視されています」

コンビニも以前は明るさ競争をしていましたが、今は商品・サービス開発に転換し、明るさは落ち着いたとのこと。

「もう1つの理由は、業態の変化でしょう。ドラッグストアにおいて最も明るい売り場はどこだかわかりますか? それは、『化粧品売り場』です。通常の売り場では、1,500lx程度の明るさですが、化粧品コーナーは、およそ2,000lx~3,000lxと倍の明るさに設定しているケースが多く見られます。

ドラッグストアはもう、すでに薬屋さんではなく、『健康』『美』をテーマにした業態に転換しているのです」

疑問2:なぜ、100円ショップは商業施設の最上階にあるの?

イオンやイトーヨーカ堂などの商業施設に行くと、なぜか100円ショップが最上階にあります。

「一般的には、上の階になればなるほど集客が難しくなります。上の階にできるだけお客さまを流すために、最上階にパワーのあるコンテンツ(催事場や飲食店など)を置き、そこを起点にシャワーのように下の階にお客様を流す、俗にいう『シャワー効果』というのを狙っています。

イオンやイトーヨーカ堂などでは、この節約志向の強い時代のパワーコンテンツとして、100円ショップのテナントを最上階に誘致しているのです」

最上階に行けば「せっかくだから下の階も見ていこう」となりますものね。

疑問3:なぜ、スーパーでは野菜売り場が一番手前なの?

ほとんどのスーパーでは、野菜売り場が一番手前に。これはなぜ?

「私たちは常に非日常を求めており、その非日常を体験させてくれるお店にお金を使うのです。いつものお買い物と侮るなかれ、私たちは潜在意識の中で常に楽しい体験、ワクワクする体験、非日常体験を求めているのです。つまり、目で見て楽しめるものを一番前に置いているのです。

肉、魚、野菜といった生鮮三品のなかで、どれが最も目で季節を味わうことができますか? そう、野菜ですよね。では、野菜の次には何が置いてあると思いますか? 季節感を味わえるものは、魚ですよね。そして最後に肉とコーナー分けされているのが一般的です。

別の考え方をすれば、スーパーからの提案と捉えても良いかもしれませんね。何も決めずに来ている方に対して、『今夜は旬の食材を楽しんでください』というメッセージを発信するためにこのような並べ方をしていると考えることもできます」

疑問4:なぜ、居酒屋のランチは豪華で安いの?

居酒屋のランチはボリュームが多く、豪華なわりに夜よりも安いですよね。

「理由は2つあります。1つは、追加の費用が対して発生せずに営業できること。昼営業に追加で必要となる経費として『光熱費』は微々たるものですので、多くの部分は『食材費』と『人件費』です。

もともと居酒屋は、夜の営業で家賃やその他経費を払い、利益を出そうと考えています。つまり、昼は家賃のことを考えずに商売ができるわけです。家賃ゼロで昼間だけ店舗を借りているようなイメージで商売ができるのです。

また、夜の余りものを煮付けにして出すなど、使い回しができますから、食材費も最小限に留めることができます。このように追加費用をほとんどかけずに営業ができるので、安い価格で提供できるのです。

もう1つの理由は、そもそも利益を出そうとしていないから。夜につなげるPRの場としてランチ営業をしているので、ここで儲けようとは思っていないのです」

知られざる人間の生態や好みが、お店の運営には盛り込まれているのですね。これ以外にも、普段と同じ場所でも素朴な疑問は意外とあるもの。皆さんもよ~く見てみてくださいね。

取材協力:コンセージュジャパン
現在、小売・飲食・美容業といった店舗型ビジネスを経営している人や将来独立開業を夢見ている人に向けて、メールマガジン「勝ち組店舗をつくる実践的7つのステップ」を無料で提供中。無料でも店作りに役立つノウハウが満載だと開店を目指す人々から支持を集めている。
メールマガジン『勝ち組店舗をつくる実践的7つのステップ

(OFFICE-SANGA 宮野茉莉子)

※この記事は2013年12月26日に公開されたものです

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