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人の第一印象はなぜ、変わりにくいのか?「仮説検証バイアス」

「人物の評価は第一印象で決まる」とはよく聞く言葉です。仕事においても、いかに相手との第一印象を良くするかに腐心する社会人は多くいます。そこで、人間の第一印象におけるメカニズムを検証してみましょう。

【第一印象をアップさせるテク】

第一印象を重視する風習

私達は、子供の頃から「第一印象を大事にしなさい」という忠告を、親や年長者から常に言い聞かされています。このことは、「第一印象で相手にマイナスの評価を与えてしまった場合、それを覆すのは非常に難しい」という事実を物語っています。

特に、社会人となってからは、この法則を実感する人が多くいることと思います。ビジネスの世界だけではなく、男女間の恋愛感情にも、この第一印象は大きく関わっています。異性と初めて会うときには、相手に格別に良い印象を与えるようにと努力するのも第一印象を重要視する表れとみてよいでしょう。

「仮説検証バイアス」とその実験結果

社会心理学には「仮説検証バイアス」という学説があり、これは一つの仮説を立て、それを実践的に立証していくことで、物事の本質をとらえようとする試みのことを言います。

そして、さまざまな実験結果によって、この説が立証されています。例えば、ある居酒屋において、スーツにネクタイ姿という盛装した客と、ラフな服装をした客とでは、どちらの顧客単価が高いかを調査した実験があります。

実験前のアンケートでは、過半数の従業員が盛装客の方が多く料理を注文する、という結果でした。ところが、実際は両者の間には大きな金額の開きはなかったのです。

判断を誤らせる第一印象

誰もが、身なりの良い客の方が「優良な顧客」という先入観があるものですが、実際はそうではないこともあり、これは飲食店に限らず、他の分野にも当てはまる事実です。

初対面で受けた相手の第一印象が強ければ強いほど、それが強固な先入観となって、適切な判断力を誤らせる結果になりかねません。企業のリーダーとしては、人事考課や取引先との折衝の際に、第一印象を頑固に持ち続けることの弊害を認識しておくことが大切だといえるでしょう。

※この記事は2013年12月03日に公開されたものです

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