伝説のカメラ店に聞く、営業女子が成功するための7つの動作「相手の目を見る」「何度でも質問する」

更新: 2019.02.19

寡黙でその場の雰囲気を盛り上げるタイプではないのに、営業成績が常にトップという同僚はいませんか？　そういう人って、一見、人見知りのように見えるけど、営業のときはちがう顔をのぞかせているのでしょうか？

『たくさん売りたきゃお願いするな！』

答えはNO！　その理由について詳しく教えてくれたのが、『たくさん売りたきゃお願いするな！』（アスコム）の著者で、サトーカメラ代表取締役専務の佐藤勝人さん。

佐藤さんによると、営業や販売する際に大切なのは、「買ってください」とお願いすることではなく、お客さんの問題点を発見する力だとか。

■お客が何を必要としているのか？

「そもそも『お願い』とは、こちらの事情を一方的に押し付けること。日常の人付き合いでも、相手のことを考えずに一方的に話す人は信用できないですよね。自分の話を聞いてくれない相手に本心を語ることも、もう一度会いたいと思うこともあまりないものです」（佐藤さん）

では、どうすれば、お客さまの抱えている問題を発見するための「聞く力」を身につけることができるのかというと、次の7つの動作に留意しながら相手と接することだそう。

7つのチェックポイント

1.相手の目を見る
2.身を乗り出す
3.相手のしぐさも含めた瞬間を見逃さない
4.共感したらうなずく
5.疑問に思ったことはすぐに聞き返す
6.解らなければ何度でも質問する
7.「これは！」と思うことは手帳にメモる

■客を騙して物を売りつけるのは絶対NG！

さらに、相手と接していく中で気付いたことや感じたことがあれば、相手に対してその思いを、「感じたままに」「友だちに話すように」伝えることが大切なのだとか。

「たとえば、重量が気になる商品でも『軽い』と言って売ろうとする人がいますが、相手が友だちだったとしたら、そんなウソはつきませんよね？　こういう場合に大切なのは、『重い理由』（＝高機能を実現するため、など）を徹底的に調べてお客さんに伝えることで、お客さんに自分が必要としていることが何かを気付かせ、心に響かせることです」（佐藤さん）

佐藤さんによると、「お客さまをみたら友だちと思うこと」が非常に重要。大切な友だちが相手なら、役に立ちたいという思いも高まるからです。

「たとえば、お店を営業している方なら、お客さまが足を踏み入れた途端に、『他店とはちがうな』と思ってもらえるように内装を工夫したり、家族連れのお客さまのことを考慮して、遊び場を設置したりといったアイディアも出てくるようになるものです」（佐藤さん）

また、「お客さまから学び続けること」も大変重要なのだとか。

「たとえば、理不尽な怒りをぶつけられたとしても、お客さまは絶対に正しいんです。なぜなら、どうしてその怒りが生じたのか、その原因を教えてくれるからです」（佐藤さん）

実際、この考え方を集約した「8つの行動指針」を、佐藤さんの会社の全アソシエイトが実践しているのだとか。

8つの行動指針

1.お客さまはいつも正しい、お客さまから学ぶこと
2.自らの知識と技術を高めること
3.365日24時間すべてのこと、すべての人から学び日々勉強すること
4.プラス思考で素直に素早くスピードを持って行動すること
5.毎週月曜日、前の週の商売を見て、その日その週にやることをすぐに結論を出し実行すること
6.毎日の結果から学び具体的に行動に結びつけること
7.アソシエイトの人生を尊重すること
8.お客さまが悪いと感じたら「行動1」に戻れ

「ちなみに、これはお客さまのいうことをすべて聞きなさいという意味ではありません。時には、お客さまも、そして私たちも間違えます。間違えたときには謝って、誠意を伝えることが大切。失敗を学びに還元していかなければ、成長にはつながりませんから。だから間違えることを恐れる必要はありません」（佐藤さん）

こうした考え方や8つの行動指針は、たとえあなたが営業以外の職種に就いていたとしても、おおいに学ぶことがありそうですね。今日からでも早速、365日24時間、周囲のすべての人から学ぼうと意識を変えるだけでも、多くの気付きを得ることができるかもしれませんよ。

佐藤勝人
サトーカメラ代表取締役専務。日本販売促進研究所経営コンサルタント。1988年23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ専門チェーン店に業態を変えて兄弟でスタート。栃木県内に18店舗を展開し、来客リピート率80%以上、利益率40%以上を達成して話題に。現在、アソシエイト150名で展開中。主な著書は『売れない時代はチラシで売れ』、『エキサイティングに売れ』（以上、同文館出版）、『日本一のチラシはこうつくれ』（文芸社）など。