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昼食を毎日同じ所ですませる人の心理―「お得」よりも「どれだけ損しないか」

毎日同じところで同じものを注文し、同じような食べ方で食べる人、職場にいませんか? 「毎日同じようなものを食べて、なんで飽きないんだろう?」と感じやすいこの行動。これには「現状維持バイアス」という心理が働いているとか。

【ランチは、お弁当派? 外食派?】

この現状維持バイアスって、どんな心理なのでしょうか?

「お得感」よりも「どれだけ損したか」に意識が向けられやすい、現状維持バイアス

現状維持バイアスとは、「今のままで何も問題がないんだから、今のままでいい」と思う心理のことを言います。例えば出世するのを嫌がったり、行動範囲を広げて冒険するのを嫌がったり、知らない人と仲良くなるのを殊更に嫌がったりする傾向がある人は、この現状維持バイアスが強く働いていると考えたほうがいいかもしれません。

現状維持バイアスがなぜ働くのかというと、現状を維持した方が「損をすることが少ない」からです。なぜなら現状維持を選ぶ人は、新しい知識や経験で得られる「お得感」よりも、現状で得ているものを失う「損」の方がより大きなものに見えるため、あえて現状維持を選んでいるからです。

現状維持バイアスは、昼食にもあらわれる?

例えば昼食なら、新しいメニューに挑戦して新しい味に感動したり、お得なメニューに挑戦して昼食代を節約したりすることよりも、まずくて失敗してしまうことや、割高なお金を支払わされてしまうことの方が、より重大で、回避すべきことと考えてしまいやすいからです。

現状維持バイアスは、仕事ぶりにも関係する

現状維持バイアスがかかっているために、昼食を変えたがらない人は、仕事も同様、現状維持を好む傾向があります。自由時間がなくなるからと出世を拒んだり、事業をあげての新しい試みに反対の意見を示したり、古いつきあいのある人としか仕事をしなかったりなど、とにかく保守的な態度を見せることが多いようです。

また「損」を強く大きく感じやすいために、景気が悪くてボーナスが少し下がっただけでも大騒ぎしたり、殊更に落ち込んでしまったり、他人よりも大きなショックを感じやすい面があります。ときにはそれが原因で、心身に深いダメージを受けることもあります。

現状維持バイアスがかかっていて、損が気になりすぎる人には

現状維持バイアスがかかっていて、損を気にしすぎてしまう性格なら、現状を一番低く設定し、意識してみることが大切です。なぜなら現状設定が低ければ、新しく入ってくるものに得を感じやすいからです。例えば新規の仕事をやりたくないと思うなら、仕事がない状態にいったんしてから、新しい仕事に取り組んでみたり、新しい事業に反感を持ってしまう人なら、現在関わっている既存事業から外してもらったりすると、何もないところからのスタートにすると、新しいものにも得を感じやすくなります。

または既存のものの中でも、苦手意識を持っているものをあえてやることで、新しいものが受け入れられる態勢になる場合もあります。現状の得にしがみついて損ができないなら、現状の損に気づくようにするのがよいでしょう。

現状維持はときには必要なこともありますが、人も時代も変化していくもの。いつの間にか自分だけ社会から取り残されていた……なんてことにもならないように、変化を恐れず、ときには損をしてでも新しいものを受け入れるようにしてみてください。

変化は損ばかりではなく、お得なこともたくさんあるのです。

※この記事は2013年11月26日に公開されたものです

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