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かつて衰退の危機に瀕した? 沖縄でしか食べられない豆腐の正体とは!?

島豆腐(沖縄の豆腐)といえば、ゴーヤーチャンプルーや豆腐ようといったものを思い浮かべる人が多いはず。でも、本当の島豆腐の特徴は、沖縄県内の一部スーパーなどで販売され親しまれている、ごく普通の豆腐にあったのです!

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沖縄の豆腐は何が違うの?

実は沖縄の豆腐は、製法、保存法に大きな違いがあります。それは「でき立てアツアツのまま、冷やさず販売されている」という点。もちろんすべてではありませんが、ご存知でしたか? その伝統的な製法によって、あの島豆腐の肉厚な食感や、豆本来の甘みや風味、ほろ苦さが引き出されているのです。

チャンプルーに入れても型崩れせず、パンチの効いたゴーヤーの味を包み込み、かつうま味を主張する豆腐。その味が今も沖縄で愛され続けているその裏には、これまた興味深い歴史的エピソードがありました。

今では、食品衛生法では、豆腐は冷蔵もしくは冷水で保存することが義務づけられています。沖縄の本土への復帰後、島豆腐はその法律にひっかかってしまい、存続の危機が訪れたのです。

当時の沖縄は、上下水道の整備もままならない状況で、豆腐の保存に冷水を使うなんてことはもってのほか。何より、沖縄の伝統文化の味が簡単に奪われてしまうことへの危機感があったのでしょう。厚生省へ陳情におもむくなど、改正を要求する活動がさかんに行われたようです。

こうした努力が実を結び、法の一部改正を勝ち取りました。「但し、移動販売にかかる豆腐及び成型した後、水晒しをしないで直ちに販売の用に供される事が通常である豆腐にあっては、この限りではない」という一文が加えられたことにより、島豆腐は今もなお味わうことができるのです。

沖縄のスーパーでは、豆腐屋さんが毎日その日に製造したものをアツアツのまま納めている様子が見られます。「直ちに販売の用に供される」の一文がミソだったわけですね!

そんな島豆腐の魅力について、日本豆腐協会に詳しく聞きました。

でき立てアツアツの豆腐は沖縄でしか味わえないの?

「小さな豆腐屋さんでは、でき立ての豆腐を販売しているケースもあります。ざる豆腐、すくい豆腐などと呼ばれる種類の豆腐です。対面販売などで行っているお店もあります」

なるほど、いわゆる「直売」が可能なお店では味わえるのですね。それを沖縄では普通のスーパーがやっているところが、独自の文化を感じさせてくれます。

味や栄養価に特徴は?

「水さらしをすると、水溶性のビタミンやフラボンといった大豆の色素が抜けてゆくと考えられています。栄養的には木綿豆腐(島豆腐も含む)の方が、大豆の成分が多く残ります。

また、島豆腐は木綿豆腐をさらに圧搾して成形されています。したがって、舌触りの滑らかさを感じることは少ないですが、大豆本来の風味や甘み、また、大豆特有のえぐみも感じられるでしょう」

たしかに、絹ごしより味がしっかりとしている気がしますね。しかも栄養価、とくに美容にかかわる成分が多く摂取できるときたら、特に女性にオススメ!

日本豆腐協会によれば、豆腐の原料である大豆には、ポリアミンといったアンチエイジングの成分が多く含まれているそうです。もし沖縄に行く機会があれば、スーパーで売られているビニール袋入りの、アツアツの豆腐コーナーをチェックしてみてください。そしてぜひご賞味あれ!

でも、沖縄の豆腐は一丁で1キロくらいあるのが普通ということをお忘れなく!

(OFFICE-SANGA hiroshi funada)

※この記事は2013年11月19日に公開されたものです

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