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立ち食いそば屋にはなぜ「かき揚げ」が多い? 立ち食いそばトリビア・3選

先日、『立ち食いそば図鑑 東京編』(マイウェイ出版)が発売されました。おじさん達の聖域と呼ばれていた立ち飲み屋やホルモン焼き、牛丼屋にも、昨今は女子が進出するようになりましたが、まだまだ女子の姿が少ない立ち食いそば屋は「最後の聖域」と言えるかもしれません。

今、なぜ「立ち食いそば」なのか? 「ファーストフード」という言葉で思い浮かぶのは、ハンバーガーやドーナツ、回転寿司、コンビニ・スイーツなどばかり。それぞれもちろん魅力的なのですが、日本人の伝統的ファーストフードといったら「夜鳴きそば」でしょう!

つまり、現代の立ち食いそばなわけですが、街中にたくさんお店があるのにメディアに取り上げられることなんて、ほとんどありません。そんな空気感を破ったのが、この一冊。ビジュアルで並べられると、一口に立ち食いそばを言っても千差万別。個性に富んだそばの他にも、例えばかつおぶしの老舗問屋が直営するお店の「特製卵かけごはん」なども紹介されています。もはや、これを「聖域解放」のお達しと受け取り、男性に混じって楽しむしかありません!

そこで、今回は「立ち食いそば」にまつわるトリビアをいくつか紹介しましょう。

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立ち食いそば屋にはなぜ「かき揚げ」が多い?

天保年間に喜田川守貞が記した江戸風俗史「守貞漫稿(もりさだまんこう)」には、そば屋の天ぷらには芝海老が使われていたという記述があるそうです。芝海老は、車海老に比べるとずっと小さな海老ですので、かき揚げにすることが多かったようですね。

「天もり」の元祖といわれる東京都・中央区の「室町砂場」では、つゆに漬けた状態で天ぷらが供されますが、確かに芝海老と小柱のかき揚げです。そう考えると、そば屋では徐々に車海老などの大きな海老による天ぷらが増えていったものの、単価の安い立ち食いそば屋は「安価な海老=小さい」ことからかき揚げ、それも海老を野菜と一緒に揚げたものが定着したということなのかもしれません。

富山県の駅そばにある「新ちゃんぽん」とは?

富山県のJR高岡駅にある「今庄そば」という駅そばには、「ちゃんぽん」というメニューがあるそうです。これは長崎名物のちゃんぽんではなく、なんとひとつの丼にそばとうどんが混在するものなのだとか! 「合もり」は時折見かけますが、駅そばでは珍しいですね。そば党もうどん党も一杯で黙らせるなんて、すごい!

車内に持ち込める「そば駅弁」もある!

福島県のJR原ノ町駅には天ざるの駅弁、北海道のJR長万部駅にはつけそばタイプの駅弁があるそうです! 「麺が伸びないのか……」という心配も、よく考えれば出前のそばもポピュラーなわけですから、駅弁もおかしくないですよね。そば駅弁、もっと増えてもいいのかも!?

立ち食いそばなんてどれも一緒じゃないの? ……なんて思っていたら大間違い。みなさんも、ぜひ魅力的な一杯を探してみてはいかがでしょう。

(西益屋ハイジ/サイドランチ)

※この記事は2013年11月01日に公開されたものです

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