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突然、知らない人からSNSの友達申請がきた。それって、出会い系詐欺かも!?

FacebookやLINEなどを通じて、突然まったく知らない人から友達申請がきたことはありませんか? 実は今、SNSを利用した悪質な出会い系詐欺が多発しているそうです。

今回は、出会い系詐欺に詳しい、司法書士の西村茂二郎先生にその巧妙な手口と実際に起きたケースについてお話をうかがいました。

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FacebookやLINEなどのSNSを利用した手口

「現在、SNSを通じて、知らない人からの友達申請を安易に『承認』してしまうことから始まる出会い系詐欺が非常に増えています。中でも、FacebookやLINEは、ほかのSNSに比べて圧倒的に利用者数が多く、非常に身近になっているので『危機感』や『警戒心』を持ちにくいといえるかもしれません。

流れとしては、SNS上で友達になり、メッセージのやり取りが始まります。それから少し経つと、突然『携帯が壊れたので、こっちのサイトからメールを送ってくれませんか?』『私のブログの方でやり取りしたいのですが』などと言って、いわゆる詐欺目的の『出会い系サイト』へ誘導されるのです」

この詐欺目的の「出会い系サイト」に誘導するための手段として、FacebookやLINEだけでなく、SNS全般が利用されているそう。その後どのような事態に発展していくのか、実際に起きているケースを3つに分けて教えていただきました。

ケース1:繰り返される「ドタキャン」

「詐欺目的の出会い系サイトを通じてメールするには、『ポイントを購入』することが求められます。最初は、無料ポイントがもらえるなどと上手い言葉で乗せられ、メールのやり取りが始まると、『会いたい』『食事しませんか?』と誘いがくるように……。

しかし、日時や場所まで約束したにも関わらず、『直前でドタキャン』。また改めて日程を決めようとする頃には、サイト上でメールするためのポイントを消化してしまっているので、また数万円を出してポイントを購入するハメになるのです。

再度会う約束をするも、またドタキャン。そしてポイントがなくなってさらに購入……。といった具合に、『会える』という期待を持たせながら、お金を払わせ続けるという悪質なケースです」

ケース2:何度も間違えさせられる「認証コード」

「詐欺目的の出会い系サイトに誘導されるまでは、ケース1と同様。SNS上で知らない人からの友達申請を承諾したり、連絡を取り合うことから始まります。

ケース2の場合は、サイトに誘導された後、直接連絡が取りたいと誘われ、メールアドレスを交換するための『認証コード』を、手数料を支払って発行するよう促されるのです。

しかし、発行された認証コードでアクセスしようとしても、1回目で上手くいくことはまずありません。なぜなら、あえて間違えやすい複雑なコードにしてあったり、合っているにも関わらず『コードが間違っています』といったメールがくるのです。

こうして、何らかの理由を付けて『エラー』にし、さらに高い手数料を支払わせ再度認証コードを発行させる仕組みになっている、ということですね」

ケース3:「○百万円、○千万円差し上げます」というお金の誘惑

「SNS上で知らない人からの友達申請やメッセージを受け、そこから連絡を続けていると、突然『メール相手になってくれたら、○百万円差し上げます』『遺産があるので○千万円もらっていただけませんか?』といった連絡がきます。

『出会い』を装ってくるパターンもあれば、いきなり遺産や会社の利益などを理由に『お金をあげます』というパターンも。どちらにしても、最終的にはケース1・2と同様、出会い系サイトへと誘導し、ポイントを購入させるのが目的です。

『なぜ私に?』と最初は疑問に思うものの、大金欲しさに気持ちが揺らぎ返信してしまう人は多いもの。たとえ出会い系サイトで、手数料やポイント購入にお金を請求されたとしても、『最終的に大金をもらえるなら』という気になってしまっているので、つぎ込んでしまうわけですね」

西村先生からのアドバイス~どうしたら防げる!?~

「今、SNSは出会い系詐欺を企む人たちにとって、絶好の情報源であり、入り口になっています。

詐欺を防ぐ方法としては、Facebookの場合は『友達申請』に注意すること。見ず知らずの人からの申請は、友達の友達であっても、安易に『承認しないこと』です。あなたが承認してしまうことで、あなたの友達の情報も相手に知らせてしまうことになります。

LINEであれば、『ID検索を許可』をオフにするなど、プライバシー設定をしっかりしておくこと。もし知らない人からメッセージが届いた場合は、ブロックしましょう。

ツイッターの場合は、位置情報をオンにした状態でツイートすると、その場所が公開されてしまうので、『オフ』にしておくと安心ですね。

恋愛やお金など、人の『欲』につけ込むのが詐欺です。少しでも『この話、でき過ぎてる』『ポイント購入をやたらとすすめてくる』『怪しいかも』と感じたら、躊躇することなく専門家に相談することをお勧めします」

私たちの身近にあるSNSが、そんな危険性を持っているとは……。気軽にいろんな人と交流を楽しめる一方で、詐欺目的で近づいてくる人も少なくないようです。もう『私には関係ない』なんて言っていられませんね。

最近では、女性の被害者が増えているとのこと。自分が気をつけることはもちろん、身近な人たちに注意喚起することから始めてみてはいかがでしょうか。


司法書士 西村茂二郎
東京総合法務事務所代表。
東京司法書士会所属第5765号
簡裁訴訟代理認定番号第101084号
http://www.office-shigejirou.com/

(OFFICE-SANGA Ai Kageyama)

※この記事は2013年10月23日に公開されたものです

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