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「ぼっち鍋」って正直どうよ? アノ「一人鍋専門店」に女一人で行ってみた

有名牛丼チェーン店「吉野家」が2013年9月26日に一人鍋専門店「いちなべ家」をオープンして話題になってから、はや1カ月。

気になってはいたものの、女一人で一人鍋のお店に入るのは勇気がいるのでは……と、距離を置いていた筆者でしたが「行きたくても勇気が出ない女性のために、どんなお店なのかルポしなければ!」というライター魂が燃え上がり、「いちなべ家」ののれんをくぐることを決心したのです。

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別名「本の町」とも呼ばれる神保町のお昼は、ランチタイムに出かけるサラリーマンやキャリアウーマンでいっぱい! パーカーにジーンズ姿の筆者は、結構浮きがちでした……。

東京メトロのA9出口を出てから歩くこと、約5分。「いちなべ家」と書かれた赤い看板を発見! さっそく中へ……と思ったら、なんと満席! 1分弱ですが、店の外で待ちぼうけでした。店先にある5脚のイスを見ると、時間によっては行列ができる様子。

そして、店員さんに導かれるままカウンター席へ。というか、すべてカウンター。各席にIHヒーターが設置され、お一人様感満載です。お隣の席とは右利きの人と左利きの人が隣に座っても問題ないくらいの間隔が開いているので、肘がぶつかって気まずい思いをすることもありません。

ふと周りを見渡すと、全体の8割が男性客! 昼からガッツリ鍋を食べるのは、女性にとっては少しハードルが高いようです。同僚や友人を連れ立っている人も多く、意外と店内はガヤガヤしていました。その中で、もくもくと一人で鍋をつつく女性の姿を4人ほど発見。彼女たちのクールなたたずまいが、目に焼き付いています。

今回は、豚しゃぶ鍋、ちゃんこ鍋や豆乳鍋など、全7種の鍋メニューから牛すき鍋(830円)をチョイス。

すき焼きなんて何年ぶりだろうか。田舎から東京に出てきてからというもの、牛肉の高さに恐れおののき、食べるのは鶏肉ばかり! なんて無情な東京砂漠……と、物思いにふけっていると、店員さんが割り下の入った鍋と、野菜の皿、そして牛肉皿などなど、すき焼きセットを運んできてくれました。

割り下が沸騰してから、野菜を入れて肉を入れて……とりあえず体裁は整えました。うーん、写真のようにはいきませんね。そして、5分ほどすると、具材に味が染みてきて食べ時に。いざ、溶き卵に付けて実食!

久しぶりに食べる牛肉は私にとてもやさしくて、実家で食べたすき焼きを思い出しました。しかし、ほっこりしていたのもつかの間、具材たちがどんどん煮詰まりはじめたのです! 大人数でのすき焼きなら、煮詰まる前に鍋から救い出してくれる人々がいるのですが、ここは一人鍋屋。鍋の管理も自己責任なのです!

煮えたぎる鍋の中の速度とともに、ちょっと急いで頬張る私……。一人の鍋って、意外とゆっくりできないんですね(笑)。おそらく、最初に具をすべて鍋に入れてしまったのが敗因です。

誰に急き立てられるわけでもないのに、急いで完食。量としては、女性には少し多いかも? 800円前後で食べられるランチとしては、かなり満足できる量でした!

入店から30分ほどで、食事も終了。周りのお客さんたちも、ちょうど会社のお昼休みが終わる頃だったようで、ピーク時よりは比較的空いていました……が、このときに店内にいる女性客は私一人。この孤独感も、一人鍋の醍醐味なのかもしれません。あくまで自己解釈ですが。

誰にも邪魔されずに理想の鍋を追究したい人、自分のペースで鍋を楽しみたい人は、一度訪れてみては?

(大貫未来/清談社)

※この記事は2013年10月23日に公開されたものです

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