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「タラバガニはヤドカリの仲間」って知ってた!? 意外な蟹トリビア・4選

秋から冬にかけての代表的な味覚のひとつといえる「蟹(かに)」。2013年10月11日に特集された『ゆうどきネットワーク「日本海の味覚 絶品!ベニズワイガニ」』(NHK総合)では、9月に蟹漁が解禁された兵庫県北部の香美町香住地区の賑わいが紹介されました。

主役の蟹は、ベニズワイガニ。漁場のすぐ近くに港をもつこの地区では、通常茹でて食べることの多いベニズワイガニを、新鮮なお刺身で食べることができるとか! 驚くのはそれだけでなく、漁獲される個体の100匹に1匹とか1,000匹に1匹という希少な「黄金蟹」と呼ばれる幻の蟹があり、それはベニズワイガニと松葉蟹の交雑したもので、大変美味だとか。うーん、一度でいいから食べてみたいですね。

……というわけで、今回は「蟹」にまつわるトリビアを調べてみました!

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ブランド名が多い「ズワイガニ」

まず番組で紹介されたベニズワイガニは、ズワイガニの近縁種です。ズワイガニは和名で、漢字では「楚蟹、津和井蟹」などと表記します。細い小枝を示す古語「楚(すわえ)」が転じたものだそう。ズワイガニには松葉蟹というブランド名がありますが、和名に「マツバガニ」を持つ別種の蟹も存在します。さらに地域によって間人蟹(たいざがに)、越前蟹(えちぜんがに)、香箱蟹(こうばこがに)などのブランド名があり、整理して記憶するのが少々困難です。ベニズワイガニも、番組で紹介された地域では「香住蟹(かすみがに)」と呼んでブランド化しています。

「タラバガニ」は蟹ではなくヤドカリ!

まず名前の由来ですが、鱈(たら)の漁場近くで漁獲されるのでタラバガニといいます。生物学上は蟹ではなく、ヤドカリの仲間とされ、沖縄で食用にするヤシガニなども同じです。区別する際に爪を含めて、蟹の足は5対であるはずが、タラバガニには4対しかないといいますが、それは見た目だけの問題で、実際はタラバガニにも5対あるそう。第5歩脚は小さくて見えにくいだけのようですね。近縁種にアブラガニがいますが、背中の突起が4つしかない(タラバガニには6つある)ので容易に区別できます。

「スベスベマンジュウガニ」という蟹も

千葉県以南の海に生息している蟹ですが、愛らしいネーミングで愛着を感じてしまいます。浅い岩礁で干潮時の磯遊びなどで見ることができますが、見た目通りの外見で、まん丸の体で甲羅はツルツル。しかし、注意が必要です! 実はこの蟹は猛毒を持っていて、河豚(ふぐ)の毒として有名なテトロドトキシンを有していることも……。当然食用にはなりませんので、ご注意ください。

「上海蟹(しゃんはいがに)」は危険な外来種

中華料理の秋の味覚として有名な上海蟹は、チュウゴクモクズガニという蟹で、もともと日本に生息している淡水の藻屑蟹(もくずがに)の同属異種。繁殖力が非常に強く、在来生物を脅かすので「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定されており、世界中で生態系へ与える影響が危惧されています。身は少ないものの、特に内子と蟹味噌が美味なため、高級中華食材として珍重されていますが、自然環境保全上は危険な外来種であるという側面も持っています。

まとめ

ズワイガニが多くのブランド名を持つということは、日本各地で愛されている証拠でもあります。同じズワイガニでも、海が違えば味が変わるのも道理というもの。この秋、この冬に食べ比べの旅に出てみたいものですね!

(皐月半生/サイドランチ)

※この記事は2013年10月18日に公開されたものです

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