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全国に“カープ萌え女子”が増殖中! 資金難も母性本能をくすぐる?

『ポータル ANNニュース&スポーツ』(テレビ朝日系列)の10月12日の放送で、「関東で“増殖”!? カープ萌え女子」が特集されました。

10月13日のプロ野球セントラル・リーグ(=クライマックスシリーズ)のファーストステージ第2戦(甲子園球場)で、リーグ2位の阪神タイガースを2連勝で下し、広島カープがファイナルステージに進出。16年振りとなるAクラス入り&創設以来初のCS出場を果たし、いよいよ日本シリーズ出場をかけて首位の読売ジャイアンツとの決戦が始まりました。

いつもは阪神ファン一色の甲子園球場にも多くのカープファンが詰めかけ、ライトスタンドは深紅に染まり、大フィーバー中の地元広島ですが、実は地元に限らず都内でも広島カープファンは大熱狂で、盛り上がっているそうです。それも“カープ萌え女子”が急激に増殖中だとか!?

番組では都内某所の広島カープファン御用達のお店を取材し、そのココロを聞くと「弱いから、勝ったときうれしい。応援したから勝てたのかな?と思える」「育てて見守りたい!」「お金がない中、(FAに頼らず)こぢんまり頑張るところが好き」などの声が……。毎年強い球団は「常勝球団」などと呼ばれますが、いつも強いだけが魅力じゃないということでしょうか。しかし、みなさん実に楽しそう。

そこで広島カープファンに鞍替え!? を考えるあなたに、カープうんちく初級編をご紹介いたします!

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プロ野球12球団で唯一の「市民球団」

正式の球団名は「広島東洋カープ」といいます。「東洋」とは球団株式の3分の1以上を有する筆頭株主・自動車メーカーのマツダ株式会社の旧社名「東洋工業」に由来しますが、あくまで球団は非連結子会社であり、赤字の補てんなど親会社としての資金提供や経営への積極的関与はしていませんので、結成時より「市民球団」という位置づけを守り通しているそうです。

なぜ「カープ」なの?

「カープ」という名称の由来はいくつかあります。まず本拠地の広島市内を流れる太田川が古くから鯉(こい)の産地であること、さらに広島城が別称で「鯉城(りじょう)」と呼ばれていることから、「Carp=英語で鯉の意」とされました。また、滝登りをすることで有名な鯉が出世魚であることから、原爆投下後の復興への思いを込めたともいわれています(「出世魚」は普通成長に従って名前の変わる魚をいいますが、鯉は「急流の滝を登った鯉は龍になる」とされる「登竜門」の故事になぞらえて出世魚とされます)。

なお、球団創設当初は「カープス」と複数形をとりましたが、「Carp」が単複同形であることの指摘を受けて、「カープ」と改められたそうです。

潤沢とは言えない……資金難はもはや伝統!

親会社からの資金提供に頼らないため、創設当初から資金難続きです。金銭による選手獲得は望めないため、セントラルリーグに参加した初年度は首位に59ゲーム差も離される最下位でした。翌年には給料遅配や遠征費が払えない状態に陥り、球団解散の決定まで話が及んだことがあります。資金難を救うべく、広島市民が街中に酒樽を置いて募金をつのり、その結果集まったお金で球団解散を回避したという「樽募金」の美談はNHKで特集されるほど有名です。資金難のためにユニホームを1種類しか作れなかった時代もあり(=普通はホーム用、ビジター用の最低2種類は作る)、独立採算制を貫く努力は涙ぐましいものです。

マスコットキャラクターは「カープ坊や」

マスコットキャラクターである「カープ坊や」は1975年6月に登場し、現在使用されている12球団マスコットの中で最も古いものです。「カープ坊や」の着ぐるみの登場はなく、その役割は1995年に登場したマスコット「スラィリー」に任されています。アレンジバージョンも多く、今シーズン限りで現役を引退した前田智徳選手に似せたカープ坊やをプリントした「マエコレTシャツ」が、同選手の2000本安打を記念して発売されたりもしました。

創設以来の歴史を知ってしまうと、確かにカープ萌え女子の「育てて見守りたい!」という気持ちもわかりますね。案外、母性にビビッとくるのかもしれません。あなたも今日から赤ヘル軍団を応援してみては?

(西田貴史/サイドランチ)

※この記事は2013年10月16日に公開されたものです

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