地震雲って本当にあるの?「気象庁:実在しないし実証されていない」
「地震雲」という言葉をご存じでしょうか。地震が発生する前に現れる雲だそうですが、これは本当にあるのでしょうか?
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地震雲について気象庁の天気相談所に電話してお話を伺いました。
――地震の前に出現するという「地震雲」は本当にあるのでしょうか?
気象庁の見解としてはそのような雲は実在いたしません。また科学的に実証されたという話もありません。
――なぜ、このような話が出るのでしょうか?
それは地震に対する畏怖の念が生み出すのでしょう。昔でいえば「地震の前にはなまずが暴れる」といった話ですね。恐ろしい地震を避けたいという気持ちが、「地震の前には何か予兆があるはずだ」という考えを生むのではないでしょうか。
――なるほど。畏怖の念が地震雲という説を生んでいると。
地震雲とされている雲を見ますと、線状の「航跡雲」が多いのです。航跡雲は飛行機などによって作られますが、偏西風などの影響によって非常に多く見られる雲なのです。
航跡雲が見られるときに、たまたま地震が起こったりすると、それを関連付けて「地震雲」などと呼んでいるのではないでしょうか。
――なるほど。後から人間が関連付けてしまうということですね。
はい。地震が起こるときに地殻で電磁波が発生して……といったストーリーを組み立てているようですが、それが雲を発生させるという科学的な立証は全くされていません。
――では地震雲はやはり信用できないのですね。
はい。少なくとも気象学の分野ではそのような雲は存在しません。地震の予知情報が欲しいという気持ちが生んだ、まことしやかな話でしょうね。
どうも地震雲はオカルトの域を出ないもののようです。信じない方がいいのではないでしょうか。
(高橋モータース@dcp)
※この記事は2013年09月05日に公開されたものです