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どう切り出すべき? 円満転職のコツ「辞めるまで転職先の社名を言わない」

年度切り替えどきの3~4月と9~10月は退職や転勤、転職といった言葉をよく耳にしますよね。「そろそろ転職しようかな」と思っても、今の会社に恩を感じていたりすると、なかなか言い出しづらい……という人も多いのでは。そこで、転職コンサルタントの藤原純衛さんに、転職を切り出すタイミングと正しい言い方を聞いてみました。

「転職の際の心得ですが、できるだけわだかまりを残さず、きれいに辞めるようにしましょう。転職先の会社は、その人の経験や能力だけでなく、前の会社やその取引先など、人脈に期待している部分も大きいので、前の会社とギクシャクしてしまったら、相互にとってのメリットがなくなってしまいます」

円満に辞めることは、転職においてもはや必須事項なんですね。間違ってもドラマみたいに「辞めさせてもらいます!」と捨て台詞と退職届を叩きつけて飛び出したりしてはいけません。せっかく築いたネットワークを、二度と使えなくなってしまいます。

そのことを踏まえて、転職の手順を追っていきましょう。

1.転職を切り出すタイミングは?
「法律的には、退職したい日の14日前まで申し出れば大丈夫です。忙しいときやみんながいるところではなく、夕方など手が空いているときに『ちょっといいですか?』という感じで上司と2人きりになれる場を作ってください。このときの注意点ですが、最初に伝える相手は、必ず直属の上司。それまでは、会社のトップや職場の友人にも絶対に言わないこと。もし話が漏れて上司の耳に入ったら、『自分は聞いていない』と気分を害し、邪魔しにかかってきたりする恐れもありますから」

また、上司との人間関係に悩んでの転職であっても、まずは上司にお話してスジを通しましょう。もし自分が飛ばされたと知ったら、やはりいい気分はしないみたいです。

2.どんなふうに切り出すか?
「いざ切り出すときは、まわりくどくせず、『実はこれこれこういうワケで……』と正面から言ってください。ただ、その段階でもまだ転職先の社名は言わない方が賢明です。もし聞かれても、こういう関係の会社です、というふうにぼやかしてください。昔、うっかり社名を言ってしまい、上司に転職先の会社に乗り込んでいかれた人もいますから」

えー、そんなトラブルまで……。まるで修羅場です! でも、転職先をいつまでも秘密にしておくのも今後のためにもよくない気がします。藤原さんいわく、「やめてから言うぶんにはそんなに問題ありません」とのこと。前職の方と飲む機会があったらお話してみてもいいでしょう。

3.話し合って退職日を決める
「上司との話し合いが済み、退職が認可されたら、次は書類の作成です。今の会社と次の会社、自分の都合などをすり合わせながら退職日を決めてください。もし話し合いの段階でなかなか了承してもらえない場合は、自分で決めた日付を入れ、退職願を提出してください。もしあとからゴタゴタがあっても、日付を明記しておけばちゃんと辞めることができます」

段取りとしては筋を通し、まず上司に相談、了解を得る、退職の日付を決める、届けを出す。なかなか了解してもらえない場合は致し方ないので、自分の都合で退職願を出す、ということですね。

遠慮はNG!

ちなみに、超多忙な企業は、後任を探すのもたいへんだと思うのですが、早めに転職の意志を伝えるべきでしょうか。

「そんなふうに遠慮していたら、いつの間にか2カ月、3カ月と時間が経って、それこそ辞められなくなりますよ。もちろん話し合いは必要ですが、転職先でもあなたの入社を想定して教育計画や人員計画を作っていますので、決断したらきちんと行動に移してくださいね」

基本的に、転職理由に関わらず、社員が辞めてしまうのは会社側にとっては由々しきこと。表では「おめでとう」と言いながらも、内心狼狽しているものです。でも、だからこそ一度決めたら正しい手順でズバッと行動に移すこと。それが相互にとって最善の道なのですね。

(齋藤ジョン市/清談社)

※この記事は2013年09月03日に公開されたものです

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