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各国ジャーナリストが東京で感じた生の声「物価高くない」「親切」「マンガ喫茶は楽しいホテル」

日本独自の文化や商品が海外で評価される現象を意味する「クール・ジャパン」。サブカルチャーやファッションから日本国内の観光地に至るまで、「クール・ジャパン」という言葉の対象は幅広い。

【日本からのおみやげ。外国人の反応がよかったもの】

しかし、日本国内で一体何が海外の人にウケるのかと頭で考えていても、イマイチ分かりにくいのが実情ではないだろうか。折しもオリンピック招致のまっただ中。海外へのアピールについて考える必要に迫られている。

そんな現状をふまえ、先日、世界7カ国から10人のジャーナリストを東京に招き、実際に東京の魅力を体感してもらう一大企画が行われた。

それぞれイギリス、スイス、イタリア、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアから来られた方々。五日間の滞在で、原宿、渋谷、築地、浅草、東京スカイツリー、国立競技場、東京ドーム、大相撲本場所の行われる両国国技館、秋葉原のメイド喫茶など様々な場所を訪れ、東京都庁では猪瀬直樹都知事との面談が行われた。

一体、彼らは東京のどんなところをクールと感じたのか。クール・ジャパンを考えるのにきっと役立つ、日本滞在を終えた海外ジャーナリストの肉声を紹介したい。


――東京は多くの発見に満ちていました。月島のもんじゃ焼きは西洋的な食事の発想から大きくかけ離れていて、オリジナリティを感じました。まさかヘラで食べるとは!東京にはスカイツリーや新宿のビル群をはじめとして、日常における美があふれています。浅草の浅草寺、原宿のファッションストリート、秋葉原の電気街では、私自身が興味のある日本文化を深く感じることができました。(イタリアの男性ジャーナリスト)

――来日するまで、東京は物価の高い都市だと思っていましたが、それほどではありませんでした。安価に食事をできる店であふれているのは魅力です。人力車に乗り東京スカイツリーから浅草まで移動して感じたのは、東京は「ローカル都市の顔とグローバル都市の顔を兼ね備えている」という事です。どの街もワシントンD.C.と同様に清潔でした。(アメリカの男性ジャーナリスト)

――想像しなかったほど他の国にはない独自性がありました。特にマンガ喫茶は面白い場所で「楽しいホテル」だと思いました。おそらく、物価の高さ、慌ただしさ、窮屈さについて日本は誤解を受けています。これは“日本語”という特殊な言語のせいでしょう。東京は24時間、安心して過ごせるホスピタリティあふれる街でした。渋谷の109は何度も行きたい場所です。(ブラジルの女性ジャーナリスト)

――今回の東京滞在は、素晴らしい経験でした。夜の浅草寺の美しさは忘れられません。浅草、両国、築地魚市場といったきわめてローカルな伝統的文化を感じさせる場所と原宿や渋谷など現代的ファッションの発信地が隣接している事は、日本のオリジナリティですね。両国国技館で観戦した相撲は非常にエキサイティングでした。(アルゼンチンの男性ジャーナリスト)


――東京の人々は電車の乗り方を教えてくれるなどとても親切でした。おかげで日本語が話せない私でも通訳なしで移動する事ができました。歌舞伎や相撲でも英語のインフォメーションが徹底されていて、非常に助かりました。東京は「伝統に重要性を置いた国際都市」であると思います。ファッションとテクノロジーに関しては、東京は全世界を見渡しても先頭に立つ都市です。(コロンビアの男性ジャーナリスト)


今回、海外ジャーナリスト東京取材ツアーに同行して、参加者各々が日本のホスピタリティの魅力について語っていた事が印象に残った。日本のホスピタリティはコンテンツの枠を超えた「クール・ジャパン」であると感じた。

(取材・文/本折浩之)

※この記事は2013年08月29日に公開されたものです

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