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会社にばれる? ばれない? 20代のうちにしっておきたい、副業の注意点

藤井佐和子(キャリアアドバイザー)

平成30年1月、厚生労働省は、副業・兼業について企業や働く人が現行の法令のもとでどういう事項に留意すべきか、といったガイドラインを作成しました。人生100年時代、多様な働き方で自立を促すことが大きな目的です。

私のところで行っているキャリア相談にも、副業を考えたい、という方がいらっしゃることがあります。その中で20代女性からは、今の収入では貯蓄が厳しく、最近では働き方改革から残業が減って残業代が出なくなったから別の収入を得たい、といった悩みをよくお聞きします。

そこで今回は、20代の会社員の女性たちが、働きながらでもできる副業について、注意すべきポイントをご紹介したいと思います。

はじめる前に! 副業は会社にばれる? ばれない?

政府が後押しする副業ですが、できれば会社や周囲にばれずにはじめたい、という人も多いと思います。結論から言うと、副業していることが必ず会社にばれる、というわけではないのですが、だからといって会社に隠して副業することは推奨できません。

副業をしていることが会社にわかる仕組み

まず、会社に副業をしていることがわかる仕組みとして、申告の仕方があります。副収入があると、翌年の住民税が増額となり、年末調整の際、本業の会社にわかってしまうのです。住民税決定通知書は、給与総額がもっとも高い会社に送付されるので、支払い給与額からみて住民税が著しく高ければ、副業によるものだと思われるのです。

今後会社員の副業は認められていく?

冒頭ご紹介した厚生労働省の資料によると、現在、副業・兼業を認めていない企業は85.3%だとされています。これらの副業を禁止している企業は、厚生労働省のガイドライン(副業・兼業を緩和する内容となっています)を受けて、副業・兼業をどう扱うか「検討中」であるところが多いと考えられます。懸念点は、他社に自社情報が流れる可能性はないか、技術などノウハウが漏れることはないだろうか、また、副業との両立により、本業がおろそかになるのではないか、といったことが大きいようです。

社会人としてこれらを守らなければ、当然、副業は禁止になるでしょう。副業をする誰もが、会社に迷惑をかけないことを意識しなければ、せっかく解禁した企業でもたちまち禁止になったり、罰則が厳しくなってしまったりする可能性があります。

逆に言うと、この「情報や技術を流出させない」と「本業をおろそかにしない」という2点がクリアになれば、企業は副業を禁止する理由はなくなります。実は社員が副業をするメリットも企業は感じているのです。それは、視野を広げられること。外とのつながりや、会社以外の経験をすることで、企業のビジネスにもよい影響があるのでは、と考える企業も少なくありません。

ちなみに、厚生労働省が示すモデル就業規則は以下のとおりです。

(副業・兼業)
第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
(1) 労務提供上の支障がある場合
(2) 企業秘密が漏洩する場合
(3) 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
(4) 競業により、企業の利益を害する場合

※出典:モデル就業規則 (平成30年1月)より

ここでは、副業の際は会社に届け出ることが推奨されています。また、第3項の①②には、企業が懸念する2点も書かれています。このことからも、この2点がクリアになることが、副業解禁に向けて重要なポイントとなってくると考えられます。

次ページ:副業する際の注意点

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