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犬にやってはいけないNGなこと「レーズン、アボカドあげる」

アニコム損害保険株式会社 予防推進部 課長の井上 舞さん

室内で犬を飼う人が増えています。一緒にご飯を食べたり、一緒に寝たりといった人も多いのではないでしょうか。ペットはすっかり家族の一員で、かわいがってあげるのは大事なことですが、気を付けないといけないこともあります。

ペットと一緒に暮らす上で、気を付けなければならない点について、アニコム損害保険株式会社 予防推進部 課長の井上 舞さんにお話を伺いました。井上さんは獣医さんでもあります。

犬に人間が食べているものを分けてあげる

――食卓に飛んできて「ちょうだい」という顔をしている犬がいますが、食事を分けてやるのは問題でしょうか?

井上先生 健康面としつけの両方で注意が必要ですね。

まず健康面ですが、人間の食べ物には、犬が食べると中毒を起こすものがあります。例えば、タマネギやネギ、レーズン、アボカドなどです。これらは貧血や腎不全、胃腸障害などさまざまな問題を引き起こしますので絶対にあげてはいけないものです。

また、人間の食事の味付けは犬にとっては濃すぎる場合がほとんどです。特に注意しなければならないのは塩分濃度です。塩辛い味付けは犬にとってよくありません。心臓や腎臓に負担をかけることになります。

――やはり、人間の食事を分け与えるのはよくないのでしょうか?

井上先生 控えた方がいいです。犬には専用のフードを与えるのがいいでしょう。栄養的にも総合栄養食と書かれたフードをお勧めします。

――いい匂いを嗅ぎつけて、欲しそうな顔でやって来るので困りますよね。

井上先生 一度あげると、「ねだるともらえるんだ」と行動が強化されてしまいますので、人間の食事時にはケージに入れるなどのしつけを行うことが大切だと思います。

犬と一緒に寝る

――中には犬と一緒に寝ている人もいるかと思うのですが、気を付ける点はありますか?

井上先生 犬が足元で丸まって寝るなどなら特に大きな問題はないかと思いますが、犬から人に感染する病気もありますから、その健康リスクには注意しなければなりません。

――どのようなケースがあるのでしょうか。

井上先生 例えば、犬の口と人間の口がくっついたりするなどの場合は注意してください。

――自分のワンコにキスしたりする人もいますが。

井上先生 愛情の表現としてするのでしょうが、あまりお勧めはできないですね。ズーノーシス(人獣共通感染症)というものがあります。パスツレラ症、レプトスピラ感染症が人にうつったり、また原虫、回虫などの寄生虫症、ノミ、ダニなどにも注意しなければなりません。

先ほどの人の食べ物を犬にあげる場合なども自分のお箸やスプーンなどであげるのは避けたほうがよいです。

――人間に重篤な事態を引き起こす場合があるのでしょうか?

井上先生 あり得ます。犬にキスしたりする場合には、感染症のリスクに気を付けてください。普段から飼い主さんが自分の犬をきれいにしてあげることが必要ですね。一緒の空間で暮らすのであればなおさらです。それが人間の健康にもつながります。

犬に布団を掛けてあげる

――ネットなどでは、犬があおむけで布団を掛けて寝ている画像などが見受けられますが。

井上先生 あれは飼い主さんがかわいらしいと思ってやっておられると思います(笑)。犬は毛皮を着ています(?)ので、布団は本来必要ないですから。

――犬に服を着せている飼い主さんもけっこうおられますね。

井上先生 そうですね。ファッションでやっておられるのでしょう。普通は必要ないですね。注意しなければならないのは熱中症です。夏は熱中症にかかる犬がたくさん出ます。

犬は体温調節で汗をかくことができませんから、服を着せる飼い主さんは犬の熱中症には気を付けてあげてほしいですね。

――熱中症にかかる犬は多いのでしょうか?

井上先生 多いですね。7月が一番多いです。弊社は2000年にペットの健康保険として創業して、ペットに関するデータを取り続けています。それで分かったことを公表しているのですが……。

現在「STOP熱中症プロジェクト」を行っています。弊社のデータでは5月には熱中症が19件発生しています。今年は猛暑といわれていますから、特に注意した方がいいと思います。

――犬の保険って熱中症で倒れても利くんですか?

井上先生 弊社の保険では、「すべてのけがや病気」を補償対象としております。健康診断や妊娠、ワクチンなどは対象外です。弊社の話で恐縮ですが、弊社の保険が使える動物病院さんに、弊社発行の保険証を持って行ってください。

犬の保険証

――犬の保険証があるとは知りませんでした(笑)!

やはり室内で犬と一緒に生活する場合には、いろんな面で注意しなければならないようです。

⇒アニコム損保さんの公式サイト
http://www.anicom-sompo.co.jp/

⇒「STOP熱中症プロジェクト」のページ
http://www.anicom.co.jp/stopheatstroke/

(取材協力:井上 舞、文:高橋モータース@dcp)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.02)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年07月30日に公開されたものです

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