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電車でのベビーカー利用、どう思う? 今注目の「ベビーカー優先マーク」って何?

「鉄道での安全なベビーカー利用に関するキャンペーン」で駅や施設に貼られたポスター

「鉄道での安全なベビーカー利用に関するキャンペーン」で駅や施設に貼られたポスター

バリアフリー化が進み、ベビーカーで利用しやすくなった電車やバス。しかし、ベビーカーの利用マナーや周囲の理解には賛否両論があり、車内トラブルの種にもなりかねません。

そこで今年5月、太田国交大臣が「マークの作成やルールを統一していく」と国会答弁で発言したことを受けて国土交通省(以下、国交省)が、ベビーカーが安全に利用できるための全国統一ルールやマークの作成に乗り出すことになりました。

実は、今までも、各交通機関などでは、単独やエリアごとにベビーカー問題に取り組んできました。たとえば、JR東日本や東京都交通局、関東の私鉄などでは5年前から「鉄道での安全なベビーカー利用に関するキャンペーン」を実施。ベビーカーで安全に乗り降りするためのマナーを紹介したり、周囲への理解や協力を求めるためにポスターやリーフレットを作製。

今年は、首都圏の9つの自治体も参加するなどベビーカーが安全に利用できるようにという取り組みは広がりをみせています。2010年から国交省も後援という形でかかわってきましたが、ベビーカーの利用について直接動くのは初めてのことです。

■国土交通省がルール策定へ。要望も受付中

国交省によると、今回、ベビーカー利用の統一ルールを検討することがニュースになってから、国交省の要望受付窓口である「ホットラインステーション」には、さまざまな意見が寄せられているようです。中には「ルールができることによって逆にベビーカーが公共交通機関を利用しづらくなるのでは?」というママたちの声もあったそうで、これは、いつかママになりたいと思っている女性たちにとっても気になるところです。

そこで、国交省の担当者にルールの方向性を聞くと「ベビーカー利用者の利便性・安全性を向上させるためには、施設の整備に加えてベビーカー利用者のマナー向上とともに、ベビーカーの利用に対する他の利用者の理解や協力が不可欠だと考えています。ですので、ベビーカー利用者だけにマナーやルールを強いるようなことはありません」との回答。決してベビーカーでの利用が一方的に非難される内容にはならなさそうです。

ただし、現在のところルールがどんな内容になるのかは、まだ決まっておらず、鉄道・バス会社、子育てを支援する団体らなどで構成される協議会で4回の予定で議論が行われます。6月25日には第1回目の協議会が開催され、公共交通機関で起きているベビーカー事故や乳幼児を連れた親子の外出実態などを有識者がそれぞれ発表。

また、日本と諸外国のベビーカーの利用状況を比較調査した結果、「混雑時にベビーカーを折りたたまず乗車することを不快・迷惑と感じる人の割合が高い」「周囲の助けが少ない」などが東京都市圏のベビーカー利用の特徴であることを共通認識としました。今後、この点をどう改善していくのかが協議の課題になりそうです。

ちなみに、今後ホットラインステーションに寄せられた建設的な意見や要望は、ルールを制定するための協議に反映されることもあるかもしれないということです。

■実際にルールが施行されるのは2014年4月以降

今後は、2014年3月までに3回の予定で協議会が行われ、統一ルールやマーク作成のとりまとめを行います。その後、実際に周知がはかられるのは2014年4月以降。

「今回のルールは法律ではありません。ルールやマークをどう取り入れていくのかは、各事業者さんの判断になります。そのため、実際にいつみなさんの利用されている電車やバスなどに取り入れられるのかはまだ分かりません」

それぞれの立場で、なかなか意見の歩み寄りが難しい電車やバスでのベビーカーの利用。新しいルールがどんな内容になるのか、より子育てがしやすくなるような期待をもって経過を見守りましょう。

(浜田彩)

※この記事は2013年07月09日に公開されたものです

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