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知っておきましょう!不動産表記の実際「徒歩1分は80メートル」

不動産のチラシには、間取り図などのほか、「徒歩5分!」「築浅!」といったキャッチコピーが踊っています。これらの表記は、実際にはどのような内容を表しているのでしょうか。不動産業界で使われる表記についてご紹介します。

●「新築」はいつまで新築!?

「新築」と名乗れるのは竣工日から1年未満の物件のみです。1年たつと、その物件がいくら新品同様でも「中古」になってしまいます。また、途中で人が住んだ物件は新築と名乗ることはできません。

●「築浅」はどこまで築浅!?

「築浅!」という表現は中古物件を紹介するチラシなどでよく見掛けますが、これについては明確な規定はありません。ですから、あくまでそのチラシを制作した不動産業者の主観によって表記されます。

しかし、その物件が実際にいつ施工されたのかについては必ず表記しなければなりません。実際のものより有利と誤認するおそれのある表示は不当表示になります(表示規約第23条)。

●「徒歩○分」は1分で何メートル!?

不動産業界では「徒歩1分は80メートル」と決まっています。一般的には、人間の歩くスピードは時速4キロメートルといわれています。これは「徒歩1分は約67メートル」です。ですから、不動産業界の表記は「やや速足」で歩いた場合といえるでしょう。

●「南向き」はどこまで南向き!?

「南向き」かどうかは、アパートなどの賃貸物件を借りるときには大事な判断材料ですね。ただし「南向き」という表現をするかどうかは、不動産業者がどう書くかによります。ですから物件の向きは必ず確認しましょう。

中には「微妙な南向き」という物件もありますから、地図で必ず向きを確認するのがいいでしょう。

●「耐震」と「免震」の違いは!?

3.11以降、その物件が大きな地震に耐えられるかどうかは注目ポイントになっています。物件によって「耐震構造」、あるいは「免震構造」と記載されています。この二つの違いは以下のようになります。

・耐震構造は、建物の構造そのものが地震に耐える強度で設計され、造られたものです。

・免震構造は、建物と地盤との間に免震層(強度の高い積層ゴムなど)を設けて、地震の揺れを逃がすことを考えて造られたものです。

●「○○万円オフ!」は本当!?

いくら価格を下げて販売しているかは、不動産業者の価格設定によるものなので、これは表記を信用するしかありません。ただし、二重価格の表記をすることは基本的には許されていません。二重価格表記とは、例えば「3,600万円→2,980万円」などのことです。

ただし、以下の条件を満たす場合には二重価格を表記してもいいことになっています(賃貸物件の賃料を二重表記することは不可です)。

・過去の販売価格の公表時期及び値下げの時期を明示すること。
・過去の販売価格」は、値下げの3カ月以上前に公表された価格であって、かつ、値下げ前3カ月以上にわたり実際に販売するために公表していた価格
であり、その資料を有すること。
・値下げ時期から6カ月以内に表示するものであること。
・土地(現況有姿分譲地を除く)又は建物(共有制リゾートクラブ会員権を除く)について行う表示であること。

⇒二重価格に関する表示規約
http://www.sfkoutori.or.jp/pdf/240531henkoukiyak_leaflet.pdf

●「サービスルーム」って何!?

たまに物件の間取り図などで「サービスルーム」という表記を見掛けることがあります。また「2LDK+S」などと表記されています。この「S」はサービスルームを指しています。

実は、ルーム(居室)と記載していいかどうかは、建築基準法によって決まっているのです。それによれば、居室は平均天井高が2.1m以上なければいけません。また住宅では「居室は、居室の床面積の1/7以上の開口部(窓のことです)を持つこと」となっているのです(そのほか、採光の計算式が決まっています)。

これらの規定を満たしていない場合には居室と認められないのです。そのため、サービスルームと表記されます。サービスルームは、普通に部屋として使えますが、どうしても「採光に難あり」になってしまいます。

サービスルームは「納戸」ととって間違いないのですが、納戸では表現が良くないため「サービスルーム」という名称を使うようになっています。

(高橋モータース@dcp)

※この記事は2013年06月22日に公開されたものです

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