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初対面でなかなか仲良くなれない理由は、話し方のせい「『でも』『いや』『しかし』はNG」

人と仲良くなるのが苦手だと感じている人は多いと思います。しかし、どんな状況でも、どんな相手でも、ほんの少しの時間で親しくなり、会話を楽しめる人もいますね。特に仕事の場では、こういった社交性のある人が得をすることが多いでしょう。

誰とでもすぐ仲良くなれる人と、そうではない人の間には、どのような違いがあるのでしょうか? そこで今回は、中央話し方教室の代表講師・栗原君枝先生にお話をうかがいました。


●話し方に問題アリ!?

「初対面の人と話すのが苦手という人は多いと思います。しかし、そういう人たちも、決して『誰とも話をしたくない』『別にうち解けたいと思わない』と思っているわけではないでしょう。できることなら、それなりに会話を弾ませて、お互いに気持ちの良い時間を過ごしたいものです。

ただ、仲良くなる、うち解けるのが苦手という人は、人と会話をするときに、どうしても緊張してしまうのではないでしょうか。こういった緊張は、話し方を学んだり、トレーニングをしたりするだけで、ずいぶん軽減されることがあります」

●相手を意識しすぎているのでは?

「人と話すのが苦手な人は、『相手に悪感情を抱かれているのではないか』と、不安に思うことが多いように感じます。これは実は、『自分を良く見せたい』という思いの表れです。

しかし、これこそが人と話すときに緊張してしまう元凶。自分が言いたいことばかりを考えたり、相手の話を聞くゆとりがなくなったりします。これでは、うち解けられるはずがありません。

コミュニケーションの基本は、相手の話をしっかり聞くこと。自分がどう見られているか、どう見せたいかということは、できるだけ考えないようにしましょう」

●否定的、曖昧な言葉の多用はNG

「『でも』『いや』『しかし』といった否定の言葉。そして、『たぶん』『おそらく』『○○だと思う』といった曖昧な言葉は、できるだけ控えた方が良いですね。

否定されると、人は傷つきます。たとえ、文脈としては相手の意見に同調している場合でも、否定のフレーズが数多く登場すると、否定されたような気分になってしまうのです。

また、曖昧な言葉は頼りない、責任逃れをしているといった印象を与えてしまいます。例えば会う約束をするときなど、『たぶん○時ごろには行けると思います』では、相手に不安を与えてしまい、印象はよくありません。『○時ごろに伺います』とはっきり言った方が好印象です」

●心が相手の方を向いていない

「『コミュニケーション上手』と聞くと、話題が豊富で、話すのが得意な人をイメージするかもしれません。しかし、本当のコミュニケーション上手とは、聞き上手のことです。実際に、それほど口数は多くないのに、なぜか周囲から好かれている人はたくさんいますよね。

ポイントは、どんな相手の話でも、きちんと興味を持って聞けるかどうか。誰もが自分の話を聞いて欲しいという願望を持っています。その願望が満たされると、『この人と話していると、楽しいな』と感じるわけです。

相づちを上手に打っているつもりでも、相手の方へ心が向いていなければ、それは表情やしぐさなどから、必ず相手に伝わってしまいます」

●いつまでも丁寧すぎる話し方をしていませんか?

「ビジネスの場合は特に、初対面の相手と話をするとき、失礼のないようにとても気をつかってしまいます。もちろん、敬語などのマナーを守ることはとても大切ですが、ときには丁寧すぎる言葉遣いが、うち解けるのを邪魔することがあります。

もし、既にある程度うち解けていて、もうちょっと仲良くなりたいと思ったら、失礼のない範囲で、少しくだけた言い方をしてみるのも効果的です。

『遠方まで足をお運びいただいて、誠に恐縮でございます』よりも、『遠いところまで来てもらって、本当にすみません』の方が、親しみを感じて仲良くなれることもあります」

人とうち解けることは、本当に難しいですよね。しかし大人になれば、人付き合いが苦手だからといって、避けてばかりはいられません。

今回栗原先生にお話を伺ってみて、コミュニケーションに大切なものは、心なのだとあらためて感じました。特別な技術がなくても、まず自分の意識を変えてみることはできそうです。うち解けたい相手を前にしたら、ぜひ思い出してみてください。

(OFFICE-SANGA 森川ほしの)

※この記事は2013年06月07日に公開されたものです

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