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「香り」が感情を変える!? ニオイが人に与える影響とは?

日に日に夏の足音が近づいてきました。暑くなってくると、汗のニオイや体臭が気になってきますよね。

そんなニオイに関するセミナー「マンダム デオドランドセミナー」が、5月21日(火)に都内で開催されました。同セミナーでは、心理学の立場からニオイが人に与える心理的影響や、現代日本人のニオイに対する文化など、さまざまな角度から嗅覚の不思議、ニオイに関する話を聞くことができました。まず、ニオイとひとくちに言っても、嗅覚にまつわる言葉は「香」「臭」「匂」「薫」などさまざまにわかれており、好ましい鼻への刺激かどうかで、使いわけているのだそう。


セミナーの冒頭では、「源氏物語に見る香りのこだわり」というテーマで、「源氏物語」に登場する「薫君」と「匂宮」、2人がまとう「ニオイ」のちがいから、日本人の香りの美学を解説。薫君と匂宮は、2人とも平安時代の高貴な男女のたしなみであった「香り」を特に重要視していたそう。ただ、この2人の香りはまったく同じというわけではありません。セミナーの冒頭では、「源氏物語に見る香りのこだわり」というテーマで、「源氏物語」に登場する「薫君」と「匂宮」、2人がまとう「ニオイ」のちがいから、日本人の香りの美学を解説。薫君と匂宮は、2人とも平安時代の高貴な男女のたしなみであった「香り」を特に重要視していたそう。ただ、この2人の香りはまったく同じというわけではありません。

薫君は生まれつきかぐわしい体臭の持ち主であったため、香などを焚く必要がありませんでした。当時の宮廷女性たちは、薫君の香りにあこがれていたそうです。これに対抗する形で着物に香を焚きしめていたのが匂宮と言われています。いわば、薫君は自然な体臭で恋のアプローチをし、匂宮は人工的に香りをまとい、匂いを漂わせアプローチをしていたということになります。宮廷女性たちが薫君の自然な体臭にあこがれていたのは、現代でもある「香水のニオイが強いよりも、自然な香りのほうがいい」といった考えに近いですよね。

今も昔も、日本人の香りの美学というのは、「自然に発するいい香り」というのが理想となっているようです。薫君の芳しい香りのする自然な体臭で……というのはなかなか難しいとは思いますが、人を不快にさせない体臭を意識するということは、現代でもエチケットとして根づいていますよね。この自然な香りを意識することは、自分・他人への意識や行動への影響につながり、対人関係を良好にする効果もあるのだそう。

また、東北大学 大学院 文学研究科 心理学研究室の坂井信之准教授が解説した「心理学からみた現代日本の香りブーム」というテーマでは、香りによって人の印象や感情が変化するというお話がありました。


ショッピングモールでの実験では、人がペンを落としたときに対する親切行動が、ニオイの場所によって異なってくるという結果が出たとのこと。ほかの場所に比べ、甘い香りのするドーナツ屋さんの付近では、ペンを落とした場合に拾ってもらえる確率が、ほかの場所に比べ高くなったそうです。ということは、人にやさしくされたい……というときは、甘い香りを身にまとえば、親切にされる可能性もあるのかも!?

どのテーマも、「ニオイ」という切り口から、人との関係を良好にするための手段として香りを意識する、香りによって人の気持ちを変えられる、といったお話は目からうろこでした! 対人関係をより円滑にするために、デオドラント商品で自然な香りを保ちつつ、ときには「香り」を効果的に取り入れて、いつもとちがう自分を演出してみては?

(川原裕子/マイナビウーマン編集部)

※この記事は2013年05月29日に公開されたものです

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