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出産後も社会に求められる働き方をするには?

忙しく働く女子たちにとって、人間関係のストレスや会社生活の悩みはつきもの。ちょっとしたことにイライラしたり、憂鬱な気持ちになって、「会社に行きたくない!」と感じたことがある人も多いはず。実は日々のちょっとしたストレスは、考え方ひとつで解消できるもの。ここでは、心理カウンセラーの小高千枝さんによる「こころのメンテナンス方法」をご紹介いたします!

現代の日本社会において女性の社会進出にはめざましいものがあります。男性中心だった多くの業界でも、女性ならではの視点や価値観が企業を発展させる力となることが注目されるようになりました。しかし、男女雇用機会均等法により女性も平等に働くことができるようになってきたにも関わらず、現実問題、結婚後の妊娠・出産など仕事を続けるにあたり女性の負担になることが多く、まだまだ男性優位な世の中であることも事実。イクメンなど家事や育児に協力的な男性は増えてきたものの、すべてを夫に任せるわけにはいかないのも現実です。このような社会の中で女性として立場を確立していくためには、どのような意識を持てばいいのでしょうか?

働く女性の中には、妊娠、出産という素晴らしい経験をしたいと望んでいる人は多いと思います。しかし、産休・育休制度があっても仕事に遅れが出てしまったり、周囲に迷惑が掛かってしまう、という心配から躊躇してしまう人もいることでしょう。

そもそも、生物学的に女性は自らの保身に敏感で、生活上の『安全性』を基軸として捉える生き物です。そのため、精神的に脅かされる恐怖をできる限りさけたいという思いが生まれ、このような心配事が起こってしまうのです。

しかし、社会的地位がほしい、結婚したい、子どもがほしい、子育てしたい、と欲求ばかりを並べてはうまく行くこともうまく行きません。仕事も結婚も子育ても、1日24時間しかない中で人生設計をたて、『今』するべきことを明確にし、その都度考えて行動に出ることが大切です。

まず、仕事の立場や地位を、結婚や妊娠する前にどこまで築き上げるかを考えましょう。自分が就きたいポジションを手にするための努力と、結婚・妊娠・出産を考慮した中での働き方などを具体的にパートナーと話し合い、家事の分担などもお互いに支え合えるような状態を作っておきましょう。

そして、責任ある仕事を全うするためにも、ひとりで仕事を抱え込むのではなく、リスク分散を事前にしておくこと。チームで動くような仕事に体制を変えるように促したり、責任をとることへの心理的圧力が軽減されるような仕組みに整えることが大事です。

子どもは授かりものです。妊娠をする可能性がある場合は、社会復帰をするための地盤づくりを常に意識しておくことが必要です。そして、子育ても計画通りに順調にいくものではありません。急に病気になることもあります。保育園に預けていても呼び出されることもあります。そんなときは、自宅でできる仕事を提案してみたり、時短勤務を利用したりなどして、仕事と子育てのメリハリを持ち、『子育てがひと段落したら会社に恩返しをする』といった意識で気持ちを切り替えるようにしましょう。

その都度、基軸がどこにあるかをしっかり意識してください。『仕事軸』『母親軸』『妻軸』『自分軸』など、しっかりと切り替えをしながら『今』やるべきことその都度しっかりと取り組むことで、あなたにとって納得のいく道が開けます。

まだまだ女性が仕事を継続するにあたって、働きにくい社会であることは事実です。しかし、女性は社内の潤滑油的存在であり、女性の存在があることで男性も働きやすさを感じています。これからの社会でも女性の活躍は期待されています。だからこそ、ひとりひとりがしっかりと基盤を作りあげ、あとに続く女性たちがさらに働きやすくなるような環境作りを心がけてください。

出産後も社会に求められる働き方をするには……
  • 結婚前、妊娠前、出産前に築き上げたいポジションを明確に持つ
  • 結婚後の働き方、家事の分担などをパートナーと話し合う
  • 責任をとることの心理的圧力を軽減させるためにリスク分散をする
  • 『今』やるべきことの基軸をしっかりと持ち、その都度切り替える意識を持つ

心理カウンセラー 小高 千枝(おだか ちえ)

幼稚園教諭、キャリアカウンセラー等を経て、2007年1月、女性専門のカウンセリングルームを開業。男女関係の問題、依存症、人生観、うつなどのカウンセリングのほか、メンタルトレーニング、企業カウンセリングなどに携わる。2010年9月、精神科医名越康文監修、男女ともに通える『メンタルケアサロン~ピュアラル』を開業。ご相談者それぞれのペース に合わせ問題解決に導くカウンセリングは男女問わず信頼を得ており、リピーターが多い。2013年3月21日(木)、著書『人の本性を見抜くたった一つの質問』(徳間書店)が発売。

※この記事は2013年05月21日に公開されたものです

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