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大声で吐き出す!? 「五月病」で無気力状態に陥ったときの対処法

忙しく働く女子たちにとって、人間関係のストレスや会社生活の悩みはつきもの。ちょっとしたことにイライラしたり、憂鬱な気持ちになって、「会社に行きたくない!」と感じたことがある人も多いはず。実は日々のちょっとしたストレスは、考え方ひとつで解消できるもの。ここでは、心理カウンセラーの小高千枝さんによる「こころのメンテナンス方法」をご紹介いたします!

新年度がはじまり、希望や期待に満ちあふれた1カ月が過ぎました。意欲的に仕事に取り組みながらも、あっという間にGWの長期休暇に突入。「さて! 連休明けも引き続きがんばろう!」と思っていたのに、なぜか気力がわかない状態。あれだけ、一生懸命取り組んできた仕事に対して興味が抱けず楽しむことができない……これっていわゆる『五月病』!?

実は、4月の新生活がスタートすると、知らず知らずのうちに、人間関係、生活、仕事によるストレスや疲れが心身に蓄積されていきます。はじまりの季節ならではの期待感や緊張感などから、4月はやる気があるものの、長期休暇明けにその高揚した気持ちを維持することができず、不安感から焦りや無気力状態を生み出してしまうことがあります。このように環境の変化についていけないことで起きる精神疾患を医学的には『適応障害』と言います。

では、このように、やる気が出ない場合は、どうしたらいいのでしょうか? ちょっとした疲れが原因の場合は、心身ともに休息を取り、できない自分を受け止めてあげてから「また、がんばろう」と自分を鼓舞することが望ましいです。しかし、無気力状態に陥り、身体がついていかない場合は、無理に物事をポジティブに考えようとすることは心身へ危険を及ぼします。

まずは、心身に負担を与えている問題を具体的に洗い出してみることが必要。あなたのことを評価せず、純粋に受け止めてくれる家族や恋人、友人などに、感情のおもむくままに、たまっている気持ちを吐き出してしまいましょう。抑えきれない場合は、カラオケボックスなどの個室で大声を出してもいいです。きれいにまとめようとせず、汚い言葉を使ってでも、心の膿をすべて吐き出してみてください。言葉に出すことで改めて自己認識が生まれ、想像以上に深い悩みであったことや、実はたいした悩みではなかったことなど、その悩みの重さに気づくことができます。そうして、気分が落ち込んでしまうストレスの原因を知ることが大切です。

次に、その原因に対して「無理をしていたのか?」「本当に取り組まなければならいことであったのか?」など自分の本音と建前を具体化してみましょう。組織の一員としてやらなくてはいけないことは多々ありますが、やらなくてもいいことまでがんばり過ぎていたということはないでしょうか? がんばったこと、成果を出したことに対しては、「よくがんばったね」と自分に声をかけてあげてください。理不尽な出来事や悔しい経験には怒ったり、泣いたり感情に素直になりましょう。喜怒哀楽の感情の抑圧からストレスは生まれます。一度すべてを出し切ることで、感情のコントロールができるようになります。

また、『五月病』(適応障害)になってしまう根底には自己肯定力が弱まり、自信を失っている傾向もあります。自信を取り戻すためには、少しずつマイナスな気持ちをプラスへと導くことがポイント。「対人関係が苦手だったけれど、積極的にコミュニケーションをとったおかげで友だちができた」「ひとり暮らしが不安だったけれど、家事ができるようになった」「××を経験したおかげで○○を得ることができた」などと経験がムダではなかったことが理解できると、気持ちが安定してきますよ。

そして、後輩や同僚が悩んでいたら、あなたが無理のない範囲で受け皿になってあげてください。相手が安心して話ができる環境を作ってあげることです。相手の目をゆっくりみつめ、うなずきながら、最後まで話を聞いてあげてください。自分の話をするのではなく、まずは受け入れてあげること。そこから『五月病』(適応障害)の解決の糸口がみつかります。

五月病(適応障害)に陥ってしまったら……
  • 無理に物事をポジティブに考えることを止める
  • 感情のおもむくままにたまっている気持ちを吐き出す
  • 本音と建前を具体化し、喜怒哀楽を素直に出す
  • 少しずつ自分の経験をプラスに捉え、気持ちを安定させる

心理カウンセラー 小高 千枝(おだか ちえ)

幼稚園教諭、キャリアカウンセラー等を経て、2007年1月、女性専門のカウンセリングルームを開業。男女関係の問題、依存症、人生観、うつなどのカウンセリングのほか、メンタルトレーニング、企業カウンセリングなどに携わる。2010年9月、精神科医名越康文監修、男女ともに通える『メンタルケアサロン~ピュアラル』を開業。ご相談者それぞれのペース に合わせ問題解決に導くカウンセリングは男女問わず信頼を得ており、リピーターが多い。

2013年3月21日(木)、著書『人の本性を見抜くたった一つの質問』(徳間書店)が発売。「好きな数字」「好きな香り」「好きな色」など日常にありふれたものの選択の仕方で、その人の恋愛観や金銭感覚、コミュニケーション力に至るまで、本性を見抜く方法を伝授する一冊。人間関係の難しい現代だからこそ、相手を知ることは大切。この本を読めば、人間関係のお悩みもスッキリ解消できる……はず!?

※この記事は2013年05月07日に公開されたものです

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