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パンダには、指が7本あるって知ってた?

2013年3月、上野動物園でパンダの交尾が確認された。動物なら当たり前の行動ながら、ぬいぐるみのような風ぼうと現実のギャップに、言葉を失った人も多いだろう。

そんな愛くるしい動物にも、変わったところがたくさんある。7本指のパンダ、カモノハシの毒づめなど、知りたくないと思うような特徴がたくさんあるのだ。

チョイ悪なパンダ

中国語で大熊猫と記されるジャイアント・パンダは、食肉目(もく)・クマ科の哺乳(ほにゅう)類で、成長すると体長150cm、体重150kgにも成長する。

名前の由来は「ガリャポンヤ(竹を食べる者)」で、ポンヤが転じてパンダになったという説が強い。そのため竹しか食べない印象が強いが、これは誤解で、食肉目に分類されているように昆虫やネズミを食べることもある。

パンダがネズミを捕まえて食べるシーンなど誰が想像できるだろう? ゆるキャラの代名詞が実はチョイ悪だったと知ったら、泣き出す子供が多く出そうだ。

クマ科の熊は、人間と同じ5本の指を持つ。ただし人間のように、親指:人さし指~小指の1:4に分かれず、すべて均等に並んだ構造になっている。同じ科のパンダも基本は同じだが、さらに2本の指を持っているのだ。

その指の1つは、人間なら親指の付け根にあたる部分あり、もう一つは小指側の、さらに手首に近い部分にある。どちらも骨がないため自由に動かすことはできず、「コブ」や「出っ張り」と表現され、副手根骨(ふくしゅこんこつ)の正式名称を持つ。

クマ科のパンダは人間の人さし指から小指が5本に増えたような手で、引っかくのには都合が良いが、親指が離れていないのでつかむのには不便な構造だ。そこで主食の竹をしっかりとつかめるように、5本の指から離れた場所にコブが生まれたと考えられているのだ。

毒針を持つカモノハシ

和名では鴨の嘴(くちばし)とも表されるカモノハシは、カワウソをベースに、ビーバーのしっぽ、アヒルの水かき、カモのクチバシを取り付けたような、脱力感を呼ぶかわいらしさが人気の動物だ。

生態も実に特殊で、れっきとした哺乳(ほにゅう)類ながら卵を産み、しっぽとからだで温め孵化(ふか)させる。卵生動物の場合、かえったら母の役目はおしまいになるのが定番だが、カモノハシはその後3~4か月は乳で育て、子が独り立ちできるまで面倒をみる愛情深い動物だ。

そんな温かみあふれるカモノハシも、風貌から想像もつかない強烈な武器を持っている。後脚に隠した鋭い蹴爪(けづめ)だ。

蹴爪は長さ1.5cmほどだが、成長しても40~50cmのカモノハシにとって、十分なサイズの得物と言えよう。オス/メスどちらにも備わり、さらにオスは毒まで持ち合わせているからたまったものではない。中空で注射器の針のような構造をしているので、爪よりも毒針と呼ぶのがふさわしい凶器だ。

カモノハシの毒はタンパク質を分解する酵素の一種で、神経に作用するため強烈な痛みが走る。人間なら命に別状ないが、犬や猫サイズの動物にとっては致命傷になっても不思議ではないほどの猛毒だ。

オーストラリアには野生のカモノハシが生息するが、現地の人でもめったに見られないほど生態は謎に包まれていると聞く。運よく出会えたとしても、いきなりハグはお勧めしない。この話を思い出せば、何が起きるかお分かりだろうから。

まとめ

「かわいい」は漢字で可愛いと書き、直訳すれば「まぁ愛せるか」的な意味なので、決してほめ言葉ではない。

緩慢な動きが癒やしを誘うナマケモノも、長いかぎづめを武器に身を守っている。人間のものさしで可愛いと決めつけてかかると、イタい目に遭うのでご注意あれ。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2013年04月21日に公開されたものです

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