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論文の引用動向、東京大学は3年連続で世界順位ダウン

情報サービス企業であるトムソン・ロイターは、毎年恒例となっている「論文の引用動向からみる日本の研究機関ランキング」の2013年版を発表した。

同ランキングは、学術論文の引用動向データを提供する統計データベース「Essential Science Indicators」に収録されている世界の研究機関情報から、日本の研究機関データを抽出・再集計し、論文の総被引用数順に並べたもの。

東京大学は、この統計をはじめた2002年から12年連続で、国内順位1位を堅持した。しかし、世界順位は17位となり、2012年の16位、2011年の13位から後退しつつある。

また、国内順位においては、昨年同様に総合・分野別ともに大きな変動はない。材料科学分野では、(独)物質・材料研究機構が東北大学と入れ替わり、国内順位1位を獲得。また、生物学・生化学分野には、(独)産業技術総合研究所があらたに国内順位トップ10にランクインするなど、独立行政法人の健闘がみられる。

日本が伝統的に強い材料科学、物理学、化学分野は、世界への影響力の強さを保持。また、生物学・生化学分野で国内順位2位の京都大学は、世界順位をひとつ上げて23位となった。

●世界の学術活動が活発化し、国外の被引用数が上昇傾向

中国やインドに代表される世界全体の学術活動の高まりにより、今回の分析では対象研究機関がはじめて5,000を超え、昨年比7.2%増となった。

そのため、日本は論文数、被引用数、平均被引用数のいずれも上昇を堅持しているものの、相対的な世界順位を下げる傾向にあり、これは、国外の研究機関の論文数、被引用数の上昇が日本のそれを上回っていることを意味している。

総合ランキング(10位まで)

1位 東京大学(世界順位17位)
2位 京都大学(世界順位35位)
3位 大阪大学(世界順位47位)
4位 (独)科学技術振興機構(世界順位59位)
5位 東北大学(世界順位77位)
6位 (独)理化学研究所(世界順位114位)
7位 名古屋大学(世界順位133位)
8位 九州大学(世界順位146位)
9位 (独)産業技術総合研究所(世界順位150位)
10位 北海道大学(世界順位162位)

材料科学ランキング(5位まで)

1位 (独)物質・材料研究機構(世界順位4位)
2位 東北大学(世界順位6位)
3位 (独)産業技術総合研究所(世界順位9位)
4位 大阪大学(世界順位19位)
5位 東京大学(世界順位21位)

物理学ランキング(5位まで)

1位 東京大学(世界順位3位)
2位 東北大学(世界順位12位)
3位 京都大学(世界順位25位)
4位 大阪大学(世界順位27位)
5位 (独)科学技術振興機構(世界順位29位)

化学ランキング(5位まで)

1位 京都大学(世界順位4位)
2位 東京大学(世界順位7位)
3位 (独)科学技術振興機構(世界順位11位)
4位 (独)産業技術総合研究所(世界順位14位)
5位 大阪大学(世界順位15位)

生物学・生化学ランキング(5位まで)

1位 東京大学(世界順位3位)
2位 京都大学(世界順位23位)
3位 (独)科学技術振興機構(世界順位30位)
4位 大阪大学(世界順位33位)
5位 (独)理化学研究所(世界順位48位)

※この記事は2013年04月16日に公開されたものです

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