お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

“評価されたい”願望のあらわれ!?「あがり症」を克服する方法

忙しく働く女子たちにとって、人間関係のストレスや会社生活の悩みはつきもの。ちょっとしたことにイライラしたり、憂鬱な気持ちになって、「会社に行きたくない!」と感じたことがある人も多いのはず。実は日々のちょっとしたストレスは、考え方ひとつで解消できるもの。ここでは、心理カウンセラーの小高千枝さんによる「こころのメンテナンス方法」をご紹介いたします!

会議やプレゼンなどで緊張して実力を発揮できない。事前準備は万全、練習をしっかりしていても、いざ大勢の前に立つと頭の中が真っ白になってしまい声が震えてしまう。そういった状況が続くとすっかり自信をなくしてしまい、前向きに取り組んでいた仕事にさえも影響が出てしまうという人、いますよね。普段の仕事も充実しているし、職場の人間関係も問題はない、ただ人前で話すことだけが苦手。これだけクリアできればもっと仕事を楽しめるはずなのに……。

人前で話すことが苦手な、いわゆる『あがり症』の人は、「等身大の自分以上に評価をしてもらいたい」という願望を持っている傾向が強く見られます。一見、自信を持っているように見受けられる人が多いのですが、無意識の中で人の目を気にし、必要以上に自分の評価が下がることへの抵抗感や恐怖心が心の根底に潜んでいます。自信のなさ、コンプレックス、自尊心の低さから「人によく見られる」ことでプライドや自己評価を高くしようとする意識が働き、自己崩壊を防ごうとしているのです。しかし、「あがってはいけない」という命令が逆に「あなたはあがり症!」という認識を植えつけさせてしまい、不安が不安を呼ぶ底なし沼状態に……。実は自分で自分を緊張させる方向へ導いているとも言えます。

自分自身の弱み、弱点をよく理解しているため、そのマイナスの面を補うことができればいいのですが、弱い部分ばかりがつい気になり『ダメな自分』を無意識に作り上げてしまっていることもあります。

プレゼンのとき、上手にしゃべることが目的になっていませんか? 上手にしゃべろうとすることではなく、誠意をもって相手に伝えようとすることがプレゼンのポイントです。あがることや恥をかくことを恥ずかしいと思う気持ちは、自分(自分軸)に対して意識が向いており、『認めてもらいたい』『受け入れてもらいたい』という受動的な意識が働いてしまうために起こります。しかし、プレゼンは相手に自分の気持ちを伝えることに意味があります。能動的に聞いてくれる人(相手軸)に対してメッセージを伝えるつもりでしゃべってみましょう。

間違ったら素直に「すみません。緊張して頭が真っ白になってしまいました」と、謝ればいいんです。そして、深呼吸して気持ちの整理をし、もう一度やり直せば、誠意が伝わります。あがること、緊張することをダメなことだと捉えず、一生懸命取り組んでいる自分を認め、思考を相手軸に向け、能動的に転換していきましょう。

また、あがり症の人は一語一句、原稿を作りその通りに読もうとする傾向があります。そのため途中で読み間違えなどが発生すると、不安からパニックに陥ってしまうことも。文章を読み上げるということは自分の発言に対して意識が集中してしまい(自分軸)、周囲への意識が散漫になります。周囲をよく見ながら「相手に伝える(相手軸)」意識を持つこと。原稿は箇条書きにし、キーワードを押さえ、伝える内容のポイントを頭に入れておきましょう。

そして、人の評価を気にする人の中には、自分のことをみんなが見ているのではないか? と過剰反応する人が多いです。「自分の弱みを人に見せてはいけない」という意識が働き、自ら進んでコミュニケーションをとることを拒むこともあります。しかし、自分が気にするほど、他人は自分のことを見てはいません。人間は自分のことが一番大切だと感じている生き物です。人の目を気にせず、自然体な心のあり方が身につくと、徐々に素直な感情や意識のコントロールができるようになるため、居心地のよい人間関係も築けるようになります。

評価を気にすること、コンプレックスを抱くことは決して悪いことではありませんが、克服することで心の成長や技術・スキルの上達に繋がり、さらに仕事の作業効率もあがります。失敗を恐れずに与えられたステージでご自身の等身大の力を発揮してみてくださいね。

人前で話すことに苦手意識を感じている人は……
  • 上手に話すことではなく、相手にメッセージを伝える気持ちで話す
  • 間違ったら素直に謝り、深呼吸をする
  • 原稿は箇条書きにし、キーワードを押さえる
  • 他人はそれほど自分のことを見ていない、という意識を持つ

心理カウンセラー 小高 千枝(おだか ちえ)

幼稚園教諭、キャリアカウンセラー等を経て、2007年1月、女性専門のカウンセリングルームを開業。男女関係の問題、依存症、人生観、うつなどのカウンセリングのほか、メンタルトレーニング、企業カウンセリングなどに携わる。2010年9月、精神科医名越康文監修、男女ともに通える『メンタルケアサロン~ピュアラル』を開業。ご相談者それぞれのペース に合わせ問題解決に導くカウンセリングは男女問わず信頼を得ており、リピーターが多い。

※この記事は2013年03月12日に公開されたものです

SHARE