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評価を気にするがゆえ!? ムダな「付き合い残業」からの脱出法

忙しく働く女子たちにとって、人間関係のストレスや会社生活の悩みはつきもの。ちょっとしたことにイライラしたり、憂鬱な気持ちになって、「会社に行きたくない!」と感じたことがある人も多いのはず。実は日々のちょっとしたストレスは、考え方ひとつで解消できるもの。ここでは、心理カウンセラーの小高千枝さんによる「こころのメンテナンス方法」をご紹介いたします!

仕事がやっと終わり、まわりを見渡すと、職場のみんなはまだ忙しそうにしている。そういう姿を見てしまうと自分は終わっていても、帰るタイミングを掴めないことってありますよね。仕事をさぼっているわけではないし、仕事もないのに残っているのもどうかと思う。でも、帰り支度をすることに何となく気がひけ、自分が悪いわけではないのになぜか罪悪感で帰れない。その結果、みんなの様子をうかがいながら自分も残り続ける「付き合い残業」をする羽目になってしまうこともしばしば。精神的にも物理的にもムダだとわかっているのにやめられないのは、いったいなぜ?

そもそも『罪悪感』は、人間の感情の中で手放すことがとても難しいものだと言われています。罪悪感を持つと、後味が悪く、もやもやした気持ちが続いてしまいます。もちろん、自分のせいで何かトラブルが発生してしまった場合、「私が悪かった。きちんと、あやまろう」というような健全な罪悪感は必要です。こういった健全な罪悪感は、やさしさや思いやり、責任感の強さから来ています。では、自分が悪いわけではないときに発生する罪悪感は、どこから来ているのでしょうか? 実は、思いやりや責任感のほかに「評価」を気にする気持ちが影響を与えています。

職場での「付き合い残業」は、「マイナス評価をされたくない」という抵抗感によって起こる行動。それがエスカレートしてしまうと他人から攻撃を受けたくない気持ちが強まり自己防衛のため、過剰な行為に走ってしまいます。その結果、残業をしなくてはならないという刷り込みが発生し、自己防衛心から、ワーカホリックに陥ってしまったり、自分を追いつめてしまうのです。

また本来、私たち人間は『申し訳ない』『悪い』と感じると『償う』『自己犠牲を払う』という気持ちが芽生える生き物です。早く帰ることへの申し訳なさや、評価を気にする意識から、「私がやればいいんでしょ」という自己犠牲の精神が生まれ、主体的に仕事に取り組む姿勢ではなく、自己防衛や正当化する気持ちによって、「付き合い残業」を無理にしてしまう傾向があります。

そのため、あるときそのエネルギーが切れてしまうと、逃避の感情が生まれ何も手につかなくなり、無気力状態になってしまうなんてことも。さらに、自分を守りたいあまりに、今度は逆に「何であの人は仕事をやらないの?」と他人を批判するようになり、対人関係に問題が生じてしまうこともあります。

みなさんが日ごろ行っている「付き合い残業」は『評価』を気にしての残業が多いと思いますが、決して、「残業」=「高評価」ではないということを理解しておきましょう。まずは罪悪感に苛まれる前に、自分の仕事を振り返り、時間内に仕事を終えることができた自分を認めてあげてください。残業をしなかった日の手帳に花丸をつけるなど、わかりやすい形で自己肯定をしてあげることがいいでしょう。また、仕事には人それぞれペースがあります。残業もそのペースのちがいによって生まれていると考えれば、罪悪感も少し薄れるでしょう。

そして、終業後のプライベートタイムを充実したものにすることもひとつの手です。習い事をしたり、友だち・彼との楽しい時間を過ごしたり、自宅でリラックスしたり、仕事とは関係のない場所で時間を有効活用することは知識や経験を深めることになります。その知識や経験は、必ず何らかの形で仕事に役立ちます。スポーツクラブに通っていたために体力がつき、会社を休まない健康な体を手に入れた、リラックスできる時間を過ごすことで仕事の集中力があがったなど、残業をせず時間内に仕事を終えたことが結果的に、さまざまな形で会社へ貢献することにつながるのです。

人はそれぞれ仕事の内容も質も量もちがいます。「残業をしなくてはいけないのではないだろうか?」という気持ちは、他人の評価を気にする自分の中の思い込みです。早く仕事を終わらせ、終業後の自分の時間を大切にすることで結果として会社に貢献できる、いい仕事に繋がるわけです。それぞれの役割分担を考えた中で、ムダな付き合い残業から自分自身を解放してあげてくださいね。

罪悪感ゆえの「付き合い残業」をやめるためには……
  • 残業が評価につながるという思い込みを捨てる
  • 残業をしなかった日の手帳に花丸をつけるなど、自分を認め自己肯定する
  • 残業は、仕事のペースのちがいによって生まれていると考える
  • 終業後の時間を有効活用する

心理カウンセラー 小高 千枝(おだか ちえ)

幼稚園教諭、キャリアカウンセラー等を経て、2007年1月、女性専門のカウンセリングルームを開業。男女関係の問題、依存症、人生観、うつなどのカウンセリングのほか、メンタルトレーニング、企業カウンセリングなどに携わる。2010年9月、精神科医名越康文監修、男女ともに通える『メンタルケアサロン~ピュアラル』を開業。ご相談者それぞれのペース に合わせ問題解決に導くカウンセリングは男女問わず信頼を得ており、リピーターが多い。

※この記事は2013年02月19日に公開されたものです

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