「長く働く」ため40代に必要なことは? カギは“これまでの経験”の中にあった

人生100年時代。40歳の「これからの働き方」を探ります。

「長く働く」ため40代に必要なことは? カギは“これまでの経験”の中にあった

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現在アラフォーの人はいわゆる“就職氷河期”世代。学校を卒業して社会に出た1990年代半ばから2000年代前半にかけて、日本の景気が落ち込み、大手企業でさえ新卒採用を少なくしました。その当時の雇用環境が原因で、今もなお、契約社員や派遣社員、パートタイム労働者、アルバイトなど“非正規社員”として働き続けている人も少なくありません。しかし、“人生100年時代”と言われる中、現状維持の暮らしができるのか不安も……。

そこで、連載第6回目となる今回は、アラフォーの非正規雇用の実情を調査。シングル女性でも今のままの働き方でいいのか、マイナビエージェントのキャリアアドバイザー、ヤスコさんにお話を聞きました。

「非正規社員のままでいい」と現状維持を望む声が約7割

36~45歳の働く未婚女性408名にアンケートをとったところ、半数以上が非正規社員として働いている模様。さらに、今後の働き方の希望を聞くと、7割以上が非正規での雇用を求めていることがわかりました。しかし約4割が転職を考えており、その理由は「給与・待遇への不安」が約7割と圧倒的に多い結果に。「非正規雇用なので、残業が多いわりに手当が十分でなく、将来的な保証などが不安」(44歳/学校・教育関連)というのが本音のようです。

非正規雇用で働く理由は何があるでしょうか。その理由として「働く時期や期間を自分で選べる」という自由度の高さを挙げる人が最も多かった一方で、「正社員として働ける会社がなかった」「ほかに選択肢がない」という就職氷河期世代らしい理由も上位にランクイン。どうやら、非正規雇用を“あえて”選んでいる人も、“仕方なく”選んでいる人も混在しているようです。そんな中、長く働き続けるために必要だと考えている資格やスキルはというと……。

「特にない」と答えた人が多かったのは、アンケート回答者のうち約半数が現在の自分の勤務先・仕事内容に「とても満足している」「まあ満足している」からかもしれません。しかし、「特にシングル女性が長く働き続けるためには、やはり非正規社員よりも正社員のほうが当然、安心感があります」とヤスコさんは言います。

「正社員は、理由もなく解雇できないと法律でも定められているため、よほど倫理やモラル、法律に反することをしなければ定年まで働くことができます。つまり、“収入の柱が失われない”という経済面での安心感が得られます。しかし非正規社員の場合は雇用期間や仕事範囲に制限があります。そのため、よほどのスキルを持っていてどんな職場でも重宝されるような、いわゆる“スーパー派遣社員”的な人でない限りは、正社員と比べると、事業規模の縮小や業績悪化などの外的要因の影響を受けやすいといえます」(ヤスコさん)

今後の生活設計を重視するなら正社員のほうがメリット大

また、ヤスコさんによると「年をとればとるほど病気のリスクも高まります。社会保険に入っていれば病気やけがで働けない場合に健康保険から毎月お金が支給される傷病手当金は受けられますが、回復後すぐに職場復帰しやすい正社員と違い、休職している間に契約が切れた非正規社員は新たな仕事に即座に就けるという確約がないというのも不安要素のひとつです」とも。

さらに、“社会的な信用”という意味でも正社員に軍配が。「正社員は身元が保証されているので、仕事でもプライベートでも相手からの信頼度が高いです。たとえば、シングル女性がマンションを購入する場合、非正規社員だとローンを組みにくいといったデメリットがあります」とのことです。

このように、“今後の生活設計”という点では、やはり正社員をめざしたいところ。とはいえ、長く非正規社員で働いてきた人が正社員へと転換するのは簡単なことではないのも事実。ヤスコさんも、「正社員で働く意志があるのなら、そのための行動をとっていかなくては難しい」と指摘します。

「『今は非正規社員だから与えられた仕事だけやっていればいいや』ではなく、正社員になるためのビジョンを持ち、そこに向けて、今の仕事の範疇を超えるような経験や実績を積み上げていく。例えば、契約社員→正社員というステップアップの道筋をつける意識を持つことが大切です。そして、自分と同じような年の正社員と同じように働ける実力があると企業側に認めてもらう努力をしたほうがいいでしょう」(ヤスコさん)

しかし一方で、「正社員になるチャンスがあるけれどなりたくない」という相談者からの悩みも届いています。

非正規社員として“長く働く”のにスキルアップは必須!

画像はイメージです

社員登用試験に受かれば社員になれるが、試験が難しい上に、社員になってものすごく苦労している元同僚の姿を見ていると、あまりやりがいを感じない」(41歳/小売店)

「正社員になって苦労したくないのであれば、現状維持でもいいかと思います。ただ、給与や福利厚生など正社員になるメリットも確かにあるはずなので、自分にとっての優先度を天秤にかけて決めましょう」とヤスコさん。そのうえで、非正規雇用のままでいいという結論に至った場合は、収入面での不安を解消するためにも、やはりスキルアップは必須だとか。

「現状維持のスピードで経験を積むだけでは長く働き続けるのは厳しいです。誰にでもできる仕事であれば、体力のある若い人のほうがいいという側面もありますし、正社員のような昇給がないからこそ、老後の生活も考えれば、せっかくなら賃金も上がるようなスキルを身につけたほうがいいかと思います」(ヤスコさん)。では、どのようなスキルを磨くといいのでしょうか?

「やはり、非正規社員によく求められるスキルの種類を増やしておきたいものです。例えば、弊社でも派遣社員を採用することがありますが、さまざまな企画を立ち上げ制作物も多い私の部署で最近採用したのは、一般事務に加えて、イラストレーターやフォトショップが扱え、動画の編集もできる方でした。このようにプラスアルファの引き出しをいくつも持っている方だと、企業にとっても活躍のイメージがつきやすいため、引く手あまたですし、おのずと時給も高くなります。

また、エクセルやパワーポイントなど一般事務に必須のオフィススキルについても、単に使えるだけでは強い武器にはなりません。そのスキルを使って相手がどんなことを求めているのかを“読み取り”、それを“実現する”力を身につけておきたいところ。そのためには、これまでの経験をしっかり自分のものにして応用できるようにしておかなくてはなりません。もしも現時点で力不足であれば、実際の業務で行われそうな内容を想定してデータ集計や加工、資料作成の練習をしておくことをおすすめします」(ヤスコさん)

まとめ

将来の安心に手っ取り早く備えるなら、非正規社員よりも正社員のほうが近道のよう。だからこそ、非正規社員のまま、年をとっても長く働き続ける選択をしたいのであれば、自分自身のスキルを増やすと同時に上げる努力が先決です。

さらに40代以降は、企業側に「この人の経験なら自社の業務にも難なく適応できそうだ」と安心感を持ってもらえることも採用の大きなポイントに。ゆえに、若い頃のようにいろんな業種に手を伸ばすよりも、これまでの経験で見極めた“自分のスキルを活かせる”商材を扱っている企業や、業務知識の深い業界を選ぶという方向に考え方をシフトチェンジすることも大切かもしれません。

(文:ヨダヒロコ/構成:オトナノ編集部)

「40歳の仕事地図」記事一覧

第1回:人生100年時代に通用する働き方のヒント。シングル女性がこの先身につけるべきスキルって?
第2回:AIに置き換えられにくいスキルって? ホスピタリティ&クリエイティビティを身につけよう
第3回:どんな企業でも求められる価値を見出すには? 「ポータブルスキル」が大切だった
第4回:40歳、市場価値を下げたくない……! 身につけるだけで「プレゼン力」も「交渉力」もアップするスキルとは? 
第5回:40代の転職事情! 転職したほうがいい人、そうでない人の違いとは?
第6回:アラフォーシングルが“長く働く”ために考えておくことは?「積み上げてきた経験」の応用がカギ ★現在の記事

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この記事のライター

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